連載「つたえること・つたわるもの」(59)
コントロールドラマ、愛情という名の支配欲依存症。
連載 2019-02-12
信田さんは長年のカウンセリング経験から、「『愛情』という言葉は危険だ」と確信したという。そして、「共依存は、愛情という名による支配」だとも。負のスパイラルに陥ったかに見える「コントロールドラマ」を理解するポイントは、これまで美徳とされてきた「愛情」の中身を改めて考えることにある。
コントロールドラマを正当化する最後の切り札は、「愛情」という言葉でした。
だから私たちは「愛情」という言葉には気を付けなければいけません。
子どもの問題では、「お母さんの愛情が足りなかったんですね」と専門家は必ず言います。そうして母親のせいにし、母親の反論を封殺するときも、「愛情」という言葉が切り札として使われています。専門家も医者も、コントロールの手段としてこの言葉を使ってきたのです。
ですから今一度、この「愛情」という言葉、そして「家族愛」という言葉を危険なものとして、要注意の言葉として再考したいと思います。
(同書 195ページ)
10歳の少女の命を暴力的に奪った父親は、どのような幼少期を過ごしてきたのだろうか。自らも夫からDVを受けながら娘の虐待を傍観した母親は、どのような幼少期を過ごしてきたのだろうか。
次回のコラムでは、この痛ましい「コントロールドラマ」を解く手がかりとして、「親自身の、そのまた親との〈親子関係〉」である『成育歴』について考えてみたい。
【プロフィール】
原山 建郎(はらやま たつろう)
出版ジャーナリスト・武蔵野大学仏教文化研究所研究員・日本東方医学会学術委員
1946年長野県生まれ。1968年早稲田大学第一商学部卒業後、㈱主婦の友社入社。『主婦の友』、『アイ』、『わたしの健康』等の雑誌記者としてキャリアを積み、1984~1990年まで『わたしの健康』(現在は『健康』)編集長。1996~1999年まで取締役(編集・制作担当)。2003年よりフリー・ジャーナリストとして、本格的な執筆・講演および出版プロデュース活動に入る。
2016年3月まで、武蔵野大学文学部非常勤講師、文教大学情報学部非常勤講師。専門分野はコミュニケーション論、和語でとらえる仏教的身体論など。
おもな著書に『からだのメッセージを聴く』(集英社文庫・2001年)、『「米百俵」の精神(こころ)』(主婦の友社・2001年)、『身心やわらか健康法』(光文社カッパブックス・2002年)、『最新・最強のサプリメント大事典』(昭文社・2004年)などがある。
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