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連載「つたえること・つたわるもの」(59)

コントロールドラマ、愛情という名の支配欲依存症。

連載 2019-02-12

 信田さよ子さんは『コントロール・ドラマ』の中で、「共依存」という人間関係について書いている。

 共依存の意味するものは、「他人を自分の道具とする」ということです。自分が生きているという実感を得るために、人を使う、あるいはいじめたり、殴ったりもします。こういったことは濫用であり、共依存とは基本的には、そういうものです。人との関係に嗜癖(※強く依存)するのです。(中略)

 ある人がある人を使って、ある人物に何かをして、その人が傷ついて苦しんでも、苦しいと言えなくて(※苦しいと言うと、もっといじめられるので)泣きながら笑っているような姿を見て、そこから自分を確認していく、力を得ているというものです。いじめられているほうはその関係にはまっているのだから、苦しいわけですが、苦しいと言ってはいけないし、その関係の外にいる人たちにそのことを話してもわかってはもらえません。これを言ってしまうとその関係を切られてしまい、そのあとはどうなるだろうと思ってしまいます。

 つまりは、いじめられている子もその関係から離れては生きていけない、ということです。

 ですから、本当に殴られている妻が、しばらくすると、またわざと殴られるような状況をつくってしまうことがあるように、いじめられたり、殴られたりすることが私の居場所、という悲惨な関係は、まさに共依存以外の何者でもありません。
(同書 105~106ページ)

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