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連載「つたえること・つたわるもの」(59)

コントロールドラマ、愛情という名の支配欲依存症。

連載 2019-02-12

出版ジャーナリスト 原山建郎

 昨年1月の本コラム(№33:尋問者・脅迫者・被害者のコントロールドラマ)では、内縁関係にある男女による幼児への暴行・虐待死事件をとりあげて、心理学者の信田さよ子さんの著書『コントロール・ドラマ――それは「アダルト・チルドレン」を解くカギ――』(三五館、1997年)から、児童虐待を行う父親(母親)は、家族愛や親の愛という名の「支配欲依存症」であることを紹介した。

 それからわずか1年(1月24日)、今度は実の父親(41歳)による小学四年生の娘(10歳)への虐待死事件が起こった。少女は13時間あまり眠ることを許されず、冷水のシャワーを浴室で浴びせられ、濡れた服を着たままの状態で死亡した。傷害の疑いで逮捕された父親は、「娘がおねしょをしたので、当日の午前10時ごろから生活態度についてしつけをした。悪いことをしたと思っていない」と供述しているが、司法解剖の結果、少女の胃には内容物はほとんど入っておらず、十分な食事をとらせていなかった可能性や、肺に水がたまっていた状況から、鼻や口から無理やり水を飲ませた可能性なども指摘されている。さらに、その様子を動画で撮影していた母親(31歳)も娘の暴行に関与したとして逮捕され、「娘が暴力を振るわれていれば、自分が被害に遭うことはないと思った。仕方がなかった」と供述しているそうだ。

 2017年11月に行われた市立小学校(千葉県野田市)の「いじめ」アンケート自由記述欄には、「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり起きているときにけられたり、たたかれたりされています。先生、どうにかできませんか」と書かれていた。当時の担任教師が少女から聴き取った余白のメモには、「あたまなぐられる→10回(こぶし)」「おきなわ(※2017年8月まで暮らしていた沖縄県糸満市)では、お母さんがやられていた。」などと書かれていた。両親は2011年に一度離婚し、2017年に再婚しているが、母親はつねに父親からのDV(家庭内暴力)を受けつつづけていたという。

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