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連載「つたえること・つたわるもの」(79)

伝える(書く/話す)・伝わる(読む/聴く)を養う国語教育。

連載 2019-12-10

出版ジャーナリスト 原山建郎

 前回のコラムで、英語で〈話す・聞く〉力のレベルを問うことよりも、国語(日本語)で〈話す・聞く〉力をほうが問題だと述べたが、先週初め(12月3日)の新聞で、「PISA調査 日本の15歳、読解力15位 3年前より大幅ダウン 科学・数学的応用力はトップレベル維持」というニュースを見つけた。

 OECD(経済協力開発機構)が3年に1度実施する「PISA(国際的な学習到達度調査)」(2018年)の結果が出ていた。日本の高校一年生約6100人(世界79ヵ国、約60万人参加)が参加した「読解力・数学的リテラシー(応用力)・科学的リテラシー」テストの成績は、数学的リテラシーで6位(前回は5位)、科学的リテラシーで5位(前回は2位)だったが、読解力が15位(前回は8位)と大きく順位を落とした。「読解力」の大幅下落について、多くの識者たちは「スマートフォンやSNSの普及で子どもたちの読み書きやコミュニケーションが、短文中心になっている」とコメントしているが、本当にそうなのだろうか。

 ちなみに、「読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシー」のベスト3はすべて、1位中国(北京・上海・江蘇・浙江)、2位シンガポール、3位マカオだったそうだが、国際的な学習到達度ランキングの優劣に一喜一憂するのではなく、わが国の国語(日本語)教育そのものを見直す必要がありそうだ。

 と書いていたら、先週末(12月6日)の新聞に「再来年1月から始まる大学入学共通テストに導入される国語と数学の記述式問題について、与党(公明党)側から見直しや延期の検討を求める意見が出ている」というニュースが載った。これは「民間事業者に委託された採点の質が担保できるのか」という懸念が主な理由だが、前回とりあげた「英語で〈話す・聞く〉力のレベル」も、この「国語と数学の記述式問題(※試験後の自己採点が困難だという意見もある)」も、大学入試問題という選抜方法の問題であり、じつは本当に見直すべき問題は大学入試以前の段階、小学校・中学校・高校時代の国語授業の教え方にあるのではないだろうか。

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