横浜ゴム期待の新商品<第1弾>
横浜ゴム、乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」
タイヤ 2019-12-11
横浜ゴムは12月5日、ホテル雅叙園東京(東京都目黒区)で新商品発表会を開催、乗用車用オールシーズンタイヤ「BluEarth-4S AW21」、クロスオーバーSUV向けサマータイヤ「BluEarth-XT AE61」、クロスオーバーSUV向けグランドツーリングタイヤ「GEOLANDAR CV G058」を披露した。今号では、その中から「BluEarth-4S AW21」を紹介する。
雪上性能とウェット性能を両立
2020年1月9日から全19サイズで発売する「BluEarth-4S AW21」は、雪に強いオールシーズンタイヤをコンセプトに開発。スタッドレスタイヤ「iceGUARD」で培ったスノー技術とBluEarthのサマー技術を投入することで、優れた雪上性能とウェット性能を両立するとともに、ドライ性能、耐摩耗性能も確保した。
専用に開発したトレッドパターンは、幅広トレッドにV字ダイバージェントグルーブ、クロスグルーブを配置することで、溝やサイプのエッジ量を最大化。雪上性能とウェット性能の両立を図った。雪上性能に関わる溝・サイプのエッジ量はサマータイヤ「BluEarth-GT AE51」に比べ167%、一方、ウェット性能に関わる溝のエッジ量はスタッドレスタイヤ「iceGUARD6」比115%。雪を捉え蹴り出す雪柱せん断力や引っかき力、排水性に寄与している。また、3次元構造のサイプや大型ショルダーブロックを採用したことで剛性を確保。ドライ路面でのパフォーマンスや操縦安定性を高めている。
コンパウンドには、シリカ分散を向上させ、ゴムのしなやかさを維持するための末端変性ポリマー、スノーグリップポリマーとウェットグリップポリマーという2種類のポリマーを配合。ここでも雪上性能とウェット性能を両立した。
欧州型オールシーズンタイヤの需要が拡大
横浜ゴムが欧州型オールシーズンタイヤを開発した背景には、その需要増加がある。北米を中心に販売される従来型オールシーズンタイヤと異なり、スノーフレークマークと呼ばれる欧州で冬用タイヤの認証に使用されるマークが刻印された欧州型オールシーズンタイヤは、積雪路を安心して走ることができるとして、欧州を中心に需要が拡大している。欧州での2017年の需要本数は約1,500万本(横浜ゴム調べ)。2010年比で5倍(同)に増加した。また、近年ではサマータイヤからオールシーズンタイヤへの切り替えも顕著で、そうした需要が「BluEarth-4S AW21」の発売を後押しした。横浜ゴムでは2018年から欧州で発売している。
欧州で先行して発売した同タイヤの日本展開を決めたのには、日本におけるオールシーズンタイヤ需要の高まりがある。同社調べによると、関東以南の非降雪圏では、オールシーズンタイヤの装着意向が平均54%と高い。日本でも受け入れられる土壌があると判断した。
なお、同社では「BluEarth-4S AW21」について、凍結路面での走行は不適としている。同路面ではスタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンの装着を強く推しており、加えて「BluEarth-4S AW21」の雪上性能の発揮はスノープラットホームが現れる50%摩耗までとしている。
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