マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=468.20円まで値上がりして2011年4月以来の高値を更新した後、調整局面入りした。450円を挟んで売買が交錯する展開になった。引き続き供給不安が下値を支えるが、改めて供給リスクを織り込むような動きは鈍く、売買が交錯した。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万9,000元台中盤から後半で売買が交錯する展開になった。10月12日の2万1,005元で上げ一服となった後、調整局面入りしたが、2万元の節目割れ後は下げ渋る展開になった。

 産地相場の値動きは限定された。急ピッチな上昇は一服したが、大きく値を崩すことはなく、決定打を欠いている。エルニーニョ現象の影響で東南アジアの気象環境は不安定な状態が続いている。タイでは豪雨が続いており、まだ9月中旬から下旬にかけて発生した洪水被害が続いている。このまま雨がちな天候が続けば、タッピング(ゴム樹液の採取)に影響が生じることになり、改めて洪水被害が発生するリスクも低くない。しかし、9月と比較すると10月の気象環境は安定しているため、改めて天候リスクのプレミアムを織り込んでいくような動きは見送られた。底堅いものの伸び悩む展開になっている。

 インドネシアでは逆に干ばつ傾向が強くなっている。河川の水位低下を受け、農産物の輸送に混乱が報告されている。このため、タイ以外の気象環境にも注意が必要だが、10月に入ってからは供給リスクの織り込みに一服感が強まった。

 一方、需要リスクの高さも、上値圧迫要因になっている。中国自動車市場の減速を受けて、タイヤ工場は高値でのゴム在庫の調達に慎重な姿勢を強めている模様だ。需要サイドの要因で大きく値を崩すほどの状況にはないが、上げ一服感が強まる一因になっている。

 原油相場は高止まりが続いている。中東情勢は引き続き緊迫化している。イエメン武装組織フーシ派のサウジアラビアに対する攻撃が続いており、石油関連施設への被害も報告されている。また、ホルムズ海峡ではイランによる商船に対する攻撃が激化しており、機雷に接触したとする報告も出ている。11月3日に米中間選挙を控える中、イラン政府が意図的にホルムズ海峡での圧力を強めているとの見方も強くなっている。また、ロシアとウクライナの戦闘も激化しており、ウクライナはロシアの製油所を攻撃対象にしていることを明らかにしている。ただし、原油相場の高止まりを手掛かりに、ゴム相場を押し上げるような動きはみられなかった。上海では天然ゴムのみならず、ブタジエンゴム相場も調整売り優勢の展開になっている。