マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=430円台後半まで値上がりし、6月23日以来の高値を更新した。上海ゴム相場が年初来高値圏まで上昇したことを受けて、OSEゴム相場も買い優勢の展開になった。売買テーマが定まらない不安定な地合が続いているが、8月中旬は中東情勢の不安定化が上海ブタジエンゴム相場を押し上げたことで、天然ゴム相場も強含みの展開になった。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万8,000元台前半まで値上がりした。8月入りしてからは中東情勢の不安定化を背景に、上海ブタジエンゴム相場が改めて急伸しており、天然ゴム相場もつれ高した。ブタジエンゴム相場は、8月月初の1万2,000元台後半に対して、1万4,000元台中盤まで急伸している。原油相場が大きく上昇しているわけではないが、8月17日に米国とイランの停戦に関する覚書の期限を迎え、改めて中東情勢の先行き不透明感が高まっていることが警戒された。ナフサの価格上昇・供給リスクの高まりもあり、ブタジエンゴム相場が改めて騰勢を強めている。上海ゴム先物相場は、5月と6月の二度にわたって1万8,000元台で上げ一服となっているが、ブタジエンゴム主導で一段高を試す動きがみられるのかが注目される。

 需要サイドでは、中国の7月新車販売台数(輸出を含む)が前年同月比0.3%減の258万4,000台にとどまったことはネガティブ。前年同月割れは8カ月連続。輸出は同81.3%増の104万3,000台と好調を維持したが、国内販売が同23.6%減の154万1,000台と大きく落ち込んだ。

 また、中国の7月鉱工業生産は前年同月比4.5%増(前月は5.3%増)、7月小売売上高は同0.6%増(同1.0%増)となった。中国経済の成長鈍化が確認されていることもネガティブ。中国政府の大規模な景気刺激策がみられなければ、ゴム需要見通しの大幅な改善は想定しづらい。

 供給サイドでは、エルニーニョ現象の影響が深刻化していることに注意が必要だ。監視水域の海面水温は上昇傾向が続いており、東南アジアでは、タイで豪雨、インドネシアで干ばつなど、天候不順が生じている。季節的には増産圧力が強まりやすい時期だが、天候不順による供給不安が高まっていることはポジティブ。エルニーニョ現象による供給障害がさらに深刻化するのか、限定されたものにとどまるのかが注目される。ただし、タイ現物相場は大きな動きをみせておらず、積極的に供給不安を織り込むような動きはみられなかった。

 8月25日に8月限は受渡日を迎える。OSEゴム相場は大幅な逆サヤ(期近高・期先安)を形成したが、上海ゴム相場のサヤはまちまちだった。