マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=410~420円水準で売買が交錯する展開になった。上海ゴム相場は安値修正の動きが優勢になったが、為替が大きく円高に振れたことで、OSEゴム相場は明確な方向性を打ち出せなかった。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万6,270元まで値下がりして3月25日以来の安値を更新した後、1万6,000元台後半まで切り返す不安定な地合になった。明確な売買テーマを設定できず、瞬間的に急落した後、急反発と荒れた展開になった。短期投機筋主導の不安定な地合が続いているが、結果的には7月末にかけての軟調地合に対する修正高になった。

 このため、OSEゴム相場も値上がりしやすい環境だったが、為替市場で急激な円高圧力が発生したため、円建てゴム相場を大きく押し上げるような動きはみられなかった。ドル/円相場は1ドル=163円台後半と約40年ぶりの円安・ドル高環境になっていたが、日米が協調介入を行うと、8月3日には155.21円まで大きく円高・ドル安に振れた。

 日米の協調介入は、東日本大震災が発生した2011年以来であり、日本による円安是正の動きに、米国も足並みを揃えたことには意外感があった。ベッセント米財務長官は、「円は過小評価されている」と異例の発言を行い、米国としても円安是正の取り組みに協調する方針を確認している。その後は157円台まで切り返したが、「急激な円高」と「上海ゴム相場の上昇」が打ち消し合い、OSEゴム相場はほぼ横ばいの推移にとどまった。

 現在のドル建てゴム相場の水準だと、1円の円高・ドル安で、円建てゴム相場(輸入コストなどを含まず)は約2.8円値下がりする計算になる。円相場のボラティリティが著しく高まるため、円建てゴム相場に与える影響が大きくなりやすい。

 中東情勢の緊張緩和期待から、原油相場が大きく値下がりしている。先行き不透明感が強いものの、ホルムズ海峡の開放を先取りする動きがみられた。しかし、原油安に連動して、ゴム相場が大きく値下がりするような動きはみられなかった。上海ブタジエンゴム相場は1万2,000元台後半で上値の重さが目立ったが、天然ゴム相場の連れ安はみられなかった。

 主産地のタイでは、豪雨による天候不順が報告されているが、産地相場も含めてゴム相場の反応は限定的だった。一方、季節的な増産圧力に対する警戒感は上値圧迫要因となったが、供給環境の評価を手掛かりとした積極的な売買はみられなかった。需要環境も含めて、需給動向に対する関心は高まらなかった。週を通じて投機色の強い値動きが目立った。