マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE 天然ゴム先物相場(中心限月)は1 キロ= 427.10円で下げ一服となり、430~440 円水準を中心に安値修正の動きが優勢になった。為替市場で急激な円高圧力が発生したことを受けて、9 月入り後は調整売り優勢の展開が続いていた。しかし、円高の動きが鈍化すると、上海ゴム相場の高騰を手掛かりに押し目買いを入れる動きが優勢になった。結果的に高値ボックス相場が形成されている。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万9,000元台後半まで急伸する展開になった。1万8,000 元台で売買が交錯した後、2 万元の節目に迫る展開になった。

 最大の要因は、中東情勢の不安定化が原油相場の急伸を促したことだ。当初は米国とイランの攻撃の応酬だった
が、その後はイエメン武装組織フーシ派がサウジアラビア南部の石油関連施設を攻撃するなど、一気に緊張感が高まっている。タンカーに対する攻撃報告も相次いでおり、原油供給不安の高まりが、原油高に直結している。ブレント原油先物相場は1 バレル=100 ドルの大台に乗せ、WTI原油先物相場は約3ヵ月ぶりの高値を更新している。

 原油高が上海ブタジエンゴム相場を押し上げ、それがさらに上海天然ゴム相場を押し上げている。原油と天然ゴム相場との関係性は揺れ動いているが、8 月以降は原油高がブタジエンゴムと天然ゴムをともに押し上げる傾向が強くなっている。このため、中東情勢が一段と緊迫化するのか、緊張緩和に向かうのかが、ゴム相場においても重大な関心事になっている。

 需給動向に対する関心は低い。エルニーニョ現象は深刻化が続いており、世界気象機関(WMO)は9月3日、観測史上最強に達する可能性があるとの見通しを示した。監視海域の海面水温は上昇を続けており、東南アジアでも10~12 月期に向け気象環境が一段と悪化するとの見方は強い。しかし、産地相場の値動きは鈍く、積極的に供給リスクのプレミアムをみられていない。

 中東情勢の緊迫化で世界経済の先行き不透明感が強まっていること、株式市場で投資家のリスク選好性が後退していることはネガティブ。しかし、銅相場が過去最高値を更新するなど、産業用素材市況は全体的に底堅さが目立ち、ゴム相場のみが需要不安を織り込むような動きがみられなかった。

 為替相場では、円高傾向が維持されている。1ドル=155円の節目を割り込み、一時は2月以来の円高・ドル安となる152.87 円まで急転した。現在の相場水準だと、1ドル当たり1 円の円高・ドル安で円建てゴム相場は2.7~2.8 円程度(輸送費など含まず)値下がりする計算になる。