マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=448.10円まで値上がりして2011年4月以来の高値を更新した後、440円水準まで上げ幅を削る展開になった。米国とイランが和平合意に達したことを受けて、投資家のリスク選好性が高まったことがゴム相場を押し上げた。しかし、6月16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の年内利上げ観測が強まると、市場環境全体が不安定化し、ゴム相場も調整売りが上値を圧迫した。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万8,000元を巡る攻防になった。世界的な株高環境を背景に6月16日高値は1万8,165元に達している。しかし、1万8,000元台では調整売りを進める動きも強く、大きな値動きには発展しなかった。

 米国とイランは6月14日、和平合意に達したと表明した。19日に正式署名するとのスケジュールが発表されると、投資家のリスク選好性が高まった。日経平均株価は連日の過去最高値更新となり、リスクオン環境がゴム相場を押し上げる展開になった。

 和平合意の詳細は明らかにされなかったが、和平合意後はホルムズ海峡の封鎖を解除し、30日以内にイラン戦争勃発前の船舶通航環境を回復すると報じられている。NY原油先物相場は1バレル=90ドル水準から70ドル台中盤まで急落し、インフレ懸念の緩和が世界的な株高を促した。

 一方、原油安は同時に上海ブタジエンゴム相場の値下がりを加速させる要因にもなっている。原料価格の低下を受けて、ブタジエンゴムは増産圧力が強まりやすい環境になった。1トン=1万3,000元を割り込み、1万8,000元水準の天然ゴム相場は割高感が強くなっている。しかし、原油相場やブタジエンゴム相場の値下がりを手掛かりに、天然ゴム相場を大きく下押しする動きはみられなかった。

 ただし、5月上旬に続いて6月上旬も1万8,000元台では高値を嫌った買い控え傾向が報告されており、6月中旬も1万8,000元台から一段高を試すことには慎重ムードがみられた。

 産地では高温や豪雨の報告が続いている。エルニーニョ現象が発生した影響もあり、安定した気象環境とは言い難い。6月下旬も天候不順が続く見通しであることも、ゴム相場を支援した。ただし、期近限月に大きなリスクプレミアムを加算していくような動きは見送られた。OSEゴム先物相場は順サヤ(期近安・期先高)環境を維持している。

 為替が円安気味に推移したこともポジティブ材料。日本銀行は政策金利を0.25%引き上げて1.00%としたが、円高圧力の発生は見送られた。1ドル=160円台での取引が続いた。