マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=440円台中盤まで値上がりし、今年最高値(448.10円)に迫る展開になった。上海ゴム相場が年初来高値を更新する堅調地合となり、つれてOSEゴム相場も上値追いの展開になった。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万8,000元台中盤から後半まで値上がりしている。当初は中東情勢の不安定化を背景に上海ブタジエンゴム相場が急伸し、つれて天然ゴム相場も急伸する展開になっていた。しかし、ブタジエンゴム相場が上げ一服から反落に転じた後も、上海ゴム相場は乱高下しつつ底堅さを維持した。売買テーマが定まらない不安定な地合だが、急ピッチな上昇地合が続いていることが、OSEゴム相場を押し上げた。

 中東情勢は引き続き不安定な状態にある。ホルムズ海峡の封鎖は続いており、中東からのナフサ供給の不確実性が高いことは、ブタジエンゴム相場にはポジティブ。ただし、8月21日に米国が新たな対イラン制裁を発表した後は、原油相場が軟化するなど、評価が定まりづらく、不安定な状態になった。

 原油相場は、①事前に想定されていたほどに制裁内容が厳しくなかったこと②米国とイランの双方が軍事行動には消極的な姿勢を維持していること③イランとオマーンの間でホルムズ海峡の船舶通航再開に向けた枠組みが合意されたこと――などに上値を圧迫された。ただし、ゴム相場は原油相場との間に明確な連動性をみせず、上海ではブタジエンゴム相場が乱高下、天然ゴム相場が押し目買い優勢と、異なる値動きをみせた。

 産地供給環境への関心は高まっていない。東南アジアでは、エルニーニョ現象の影響で10~12月期の天候不順が深刻化するとの見方が強いが、事前にリスクプレミアムを織り込むような動きは鈍かった。引き続きタイでは豪雨、インドネシアでは干ばつ傾向が報告されているが、将来的な供給リスクと意識されるにとどまった。

 トランプ米大統領は、2027年1月1日からカナダ産の自動車、自動車部品に50%の関税を課すと表明した。実際に関税が発動されるのかは不透明だが、米国とカナダの貿易紛争が解決しない場合には、自動車市場のサプライチェーンに大きな混乱が生じる可能性がある。ただし、需要リスクを手掛かりにゴム相場を下押しする動きはみられなかった。

 OSEゴム先物8月限の受渡価格は480.00円となった。7月限の417.20円を62.80円上回っている。2025年7月限の335.00円からは145.00円の値上がりになる。2011年2月限以来の高値は、ゴム相場の水準が切り上がっていることを再認識させる。