ENEOSホールディングスは8月7日、100%子会社の米国法人を通じ、米国の化学品メーカー・TPC Holdings(TPC)を買収し、ENEOS HDの子会社にすると発表した。同日に合弁契約を締結し、今年10月中に実施する予定。これにより、TPCはENEOS HDの連結子会社(機能材セグメント)となり、タイヤや自動車向け材料の基幹原料となるブタジエンにおいて、ENEOSグループの生産能力は世界3位となる。

 同グループは、ブタジエンをはじめとするC4ケミカル事業で、エラストマーを中心としたマテリアル事業をグローバルに展開しており、溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S-SBR)などの高機能・高付加価値製品に強みを持っている。

 一方、TPCは北米におけるC4ケミカル事業のリーディングカンパニーで、ブタジエン、ラフィネート、1-ブテン、ポリブテンなどの主要製品でトップシェアを有する。

 今回の子会社化は、ENEOSグループの第4次中期経営計画が掲げる重点施策「ポートフォリオ再編」の一環として実施。早期の収益貢献が期待できる「基盤・素材事業」に経営資源を重点的に配分することで、ポートフォリオの強化を推進する。

 背景には、日本の素材事業を取り巻く環境が人口減少に伴う需要の減少や競争環境の変化などにより大きく変化するなか、米国では安価なシェールガスを原料とする素材産業が世界有数の競争力を有するとともに、今後の需要の拡大が見込まれている状況がある。こうした市場において、強みを活かしたC4ケミカル事業の拡大とマテリアル事業の連携強化を、素材事業の重要な成長戦略のひとつと位置付けた。

 ENEOSグループのブタジエンの生産能力は買収前の年産約53万トンから、TPCの年産約51万トンを合わせ年産約100万トン規模に倍増し、世界3位へと浮上する。それにより市場への対応力を高めるとともに、C4ケミカルから高機能エラストマーに至るサプライチェーンの強化を図る。同グループの安全・安定操業のノウハウを融合することで、企業価値向上を図り、北米における素材事業とグローバル競争力の強化を目指していく。