マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=435.00円で上げ一服となり、420円水準まで軟化する展開になった。7月上旬は原油高や産地天候不順を手掛かりに買いが膨らみ、上値追いの展開になっていた。しかし、高値を安定的に維持するだけのエネルギーを欠き、調整売りが上値を圧迫した。特に目立った売り材料などが浮上したわけではないが、一時は411.90円まで下落した後、420円台を回復する不安定な地合になった。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万7,000元台を維持できず、1万6,000元台後半での取引に回帰した。7月上旬は押し目買い優勢の展開になっていたが、1万7,000元台からさらに上値を試すような動きはみられず、持高調整の売りが上値を圧迫した。

 売買テーマを設定できず、持高調整が中心の展開になっている。明確な材料に乏しい中で乱高下する場面が目立ち、明確な方向性を打ち出せていない。

 7月入りしてからは中東情勢が緊迫化している。米国とイランの間では攻撃の応酬が続き、ホルムズ海峡を通航するタンカー隻数は大きく落ち込んでいる。また、イエメンの武装組織フーシ派は、紅海とアラビア海を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡において、サウジアラビア関連船舶を攻撃対象にすると表明した。この影響で、一部のタンカーがスエズ運河方向に航路を変更しており、アジア向けの原油流通に大きな混乱が生じる可能性が高まっている。

 中東情勢の緊迫化は原油相場の急伸を促している。WTI原油先物相場は7月月初の1バレル=70ドル水準から、90ドルに迫る値位置まで上昇している。また、原油高と連動して上海ブタジエンゴム相場も底堅く推移している。しかし、こうした動きと連動して天然ゴム相場を大きく押し上げるような動きは見送られた。株価動向との連動性も薄れており、明確な売買テーマを設定できない状況での持高調整に終始した。

 エルニーニョ現象の影響で東南アジアでは高温傾向や局地的な豪雨が報告されているが、供給リスクを織り込む動きも一服している。季節的には増産期に当たり、天候が安定している地域では逆に増産圧力も目立ち、ゴム市場では強弱評価が割れる展開になった。

 一方、為替市場で円安・ドル高圧力が続いていることは、円建てゴム相場に対してポジティブだ。1ドル=163円台に乗せ、約40年ぶりの円安・ドル高になっている。中東情勢の緊迫化で「有事のドル買い」が発生していることに加えて、高市政権で初めて発表された「骨太の方針」を受けて、日本の財政懸念が高まったことが、円安を促している。