マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=447.40円まで値上がりして6月22日以来の高値を更新した後、420 円台後半まで反落する展開になった。上海ゴム相場が連日の高値更新となる中、OSEゴム相場も6月17日に付けた今年最高値448.10円に迫る展開になった。しかし、過熱感の強さが警戒されたこと、中東情勢の不安定化で投資家のリスク選好性が後退したこと、為替が円高に振れたことが嫌気され、高値からは約20円の急落となる荒れた展開になった。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万9,000元台に乗せた後、1万8,000元台後半まで上げ幅を削る展開になった。改めて中東情勢が緊迫化する中、原油高と歩調を合わせて上値追いの展開になり、連日の年初来高値更新となった。しかし、1万9,000元台から一段高を試す動きはみられず、調整売りが上値を抑えた。

 米中央軍は8月31日、ホルムズ海峡にあるイランのララク島を攻撃した。機雷敷設の動きを阻止したと説明されているが、イランはヨルダンとUAEの米軍基地に対して報復攻撃を行い、中東情勢の不安定化が改めて警戒された。WTI原油先物相場は、1バレル=80ドル台前半から90 ドル台まで急伸している。こうした動きと連動して、上海ブタジエンゴム相場が戻り高値の更新を続けていることは、上海天然ゴム相場にもポジティブ。

 ただし、中東情勢の不安定化や原油高は世界の株式相場を不安定化させており、投資家のリスク選好性が後退したことは、ゴム相場にもネガティブ。この結果、上海ゴム相場も原油高で上昇後、株安で売られるなど、地合が定まらなかった。短期投機筋主導の不安定な値動きが続いている。

 需給動向に対する関心は低い。エルニーニョ現象が農産物市場全体を不安定化させているが、ゴム相場は積極的に
供給リスクを織り込むような値動きになっていない。10~12月期にはエルニーニョ現象の影響で東南アジアの農産物生産が全体的に落ち込むとの警戒感も根強いが、リスクプレミアム加算を進めるような動きは鈍い。

 需要サイドでは、特に目立った動きは見られない。タイヤ工場は高値でのゴム調達を急いでいないとの報道もあ
るが、積極的に需要不安を織り込むような動きも鈍い。

 OSEゴム相場に関しては、急激な円高はネガティブ。米利上げ観測を背景に1ドル=160円台に乗せていたが、ベッセント米財務長官が高市政権のリフレ政策転換を求めたこともあり、日本銀行の利上げ観測が強まり、一時156円台まで進んだ。このため、円建てゴム相場は為替要因からも高値からの値下がりが促された。