化学物質管理のスタートアップ、Dynagonは、医療機器・スポーツ用サポーターなどを展開する日本シグマックスと共同で、製造現場における化学物質管理の実情を踏まえた酷暑対策の提案に乗り出す。

 両社は9月3日、都内で合同記者会見を実施。酷暑対策のアドバイスを盛り込んだ管理サービスの新バージョンや、有害成分の飛散・蔓延の防止が欠かせない化学物質の取扱現場を念頭に置いた水冷服のメリットなど、それぞれの商材を訴求した。来夏の酷暑シーズン前までにサービスや製品の提供体制を整え、製造現場の支援と新規開拓に繋げていく。

Dynagonの坂本代表(左)と、「IGV2」を携える日本シグマックスの大島氏

 両社の協力は、化学物質の安全データシート(SDS)管理のクラウドサービスを手掛けるDynagonが、製造業144社に実施したアンケート調査がきっかけになった。

 この調査では、夏季の化学物質取扱作業で、有害物質から体を守る防護服の着用が熱中症の原因になるなど「『酷暑・熱中症対策』と『化学物質から作業者を守るための対策』の両立に難しさを感じる」とする回答が6割強を占めた。スポットクーラーなど送風機能を持つ冷却装置では、有害な成分を含有する粉じんや揮発成分の飛散・蔓延につながるので、現場で使用できないというジレンマが浮かび上がった。

 その声を受けて、Dynagonは、ペルチェ素子と水を組み合わせたハイブリッド機構で約5時間、安定した冷却を実現する日本シグマックスの水冷服「アイシングギアベスト(IGV)2」に着目。同社に協業を持ち掛け今回、合同会見を行うことになった。

 Dynagonの坂本晋悟代表取締役は「まだ両社の具体的なビジネス協力はないが“二律背反”の関係にある化学物質管理と酷暑対策の課題解決が製造現場の安全確保に欠かせないことを広めたいという思いが一致し、合同会見を開くことになった」と連携の意図を述べた。

 日本シグマックス・ウェルネス事業部の大島浩氏は「IGV2は心拍数の増加を抑えられるなど、暑熱対策の効果を確認している。全館空調よりも大幅に低いコストで、化学物質取扱現場でも作業環境を改善できることを訴求し、採用を広げていきたい」と抱負を語った。