マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=468.20円まで値上がりして2011年4月以来の高値を更新した後、440円台中盤まで軟化する不安定な地合になった。供給不安の織り込みが優勢となる地合が継続し、上値を切り上げる展開が続いた。しかし、ハイテク株を中心に株価が不安定化すると利食い売りが膨らみ、高値からは大きく下押しされた。

 上海ゴム先物相場は10月12日に1トン=2万1,005元まで上値を切り上げたが、その後は利食い売りが膨らみ、2万元を割り込んだ。

 エルニーニョ現象が強まる中、主産地では天候不順が続いており、天然ゴムの供給環境に対する警戒感が高まっている。日本の気象庁が10月9日に発表した最新の「エルニーニョ監視速報」では、「2026年春から続いているエルニーニョ現象は、9月に入り過去最大の強さとなっている」、「冬にかけて過去最大の強さのエルニーニョ現象が続く見込み」とされている。

 主産地タイでは、9月に続いて10月も豪雨が続いている。このため供給環境が改善に向かう兆候は乏しい。タイ現物相場は10月14日時点で、9月末に対してUSSが4.1%高、RSSが3.8%高、ラテックスが7.2%高、カップランプが6.0%高となっている。需要環境の弱さがUSSとRSSの上値を抑えている可能性があるが、ラテックスとカップランプは供給制約への警戒を背景に上昇が目立つ。消費地相場が上げ一服となった後も、産地相場は上昇傾向が続いており、供給不安の根強さが確認できる。

 一方、需要環境は良好とは言い難い。特に中国の自動車市場は減速傾向が強くなっており、タイヤメーカーもゴム相場の高騰局面で積極的に在庫手当てを進めるような動きをみせていない。買い控えが相場を大きく押し下げるほどのインパクトはみられないが、供給不安と同時に需要不安も高まっていることが、ゴム相場の値動きを複雑化させている。ゴム相場の高値更新が続いていることからは、供給不安の織り込みが優先されていることが窺える。

 原油相場は底堅く推移しているが、ゴム相場に対する影響は限定されている。11月3日に米中間選挙を控える中、イランを巡る軍事的緊張や、イエメン武装組織フーシ派による攻撃が活発化しており、軍事的な緊張感が高まっている。しかし、上海市場では天然ゴム相場と同様にブタジエンゴム相場も上げ一服後の調整売りが優勢になっている。

 原油高よりも、株価が不安定化していることの方が重視された。投資家のリスク選好性が後退する中、高値圏にあったゴム相場も持高調整の対象になり、供給不安を背景とした上昇が一服し、急反落した。