マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=450円台中盤まで値上がりし、2011年4月以来となる15年半ぶりの高値を更新した。為替市場では円安傾向が一服したが、上海ゴム相場の上昇傾向が維持されたことを受けて、OSEゴム相場も上値追いの展開が続いた。

 上海ゴム先物相場は、一時1トン=2万元の節目を上抜き、改めて年初来高値を更新した。9月中旬には持高調整の売りが膨らみ、1万9,000元台後半から1万8,000元台後半まで軟化していたが、改めて押し目買い優勢の展開になった。

 中国は10月1~7日までが国慶節の連休になるため、上海ゴム相場の取引も停止される。このため、連休前に持高調整を進める動きから急落する場面もみられたが、1万9,710元で連休入りした。連休に強気ムードを持ち越したことは、連休明け後も堅調地合を想定する向きが多いことを示唆している。

 需要環境の弱さが指摘されているが、ゴム相場は底堅さを維持している。国慶節の連休中はタイヤ工場などの稼働率も低下する見通しであり、連休前に高値圏にあるゴムの在庫手当てを進める動きは弱いとの報告も目立った。

 中国のマクロ経済指標をみても、8月の工業部門企業利益は前年同月比4.2%増となり、7月の同11.2%増から鈍化している。中国自動車市場も復調の兆しはみられず、自動車市場の減速懸念は継続している。しかし、産地天候不順の影響もあって、産地相場が強含みに推移する中、消費地相場も底堅く推移している。9月のタイ現物市場では、RSSが1.4%高、USSが1.5%高となったのに対して、ラテックスが5.4%高、カップランプが7.9%高となった。

 これはより原材料に近いラテックスとカップランプが供給不安をより強く織り込んで上昇する一方、需要環境の影響を受けやすいUSSとRSSの価格上昇が抑制されている可能性を示している。すなわち、上流部門で供給リスクの織り込みが価格高騰を促す一方、下流部門では需要リスクの織り込みが価格上昇を抑制している模様だ。需要リスクと供給リスクが同時に高まっていることが確認できるが、供給リスクの織り込みが優先された値動きになっている。

 エルニーニョ現象の影響もあるとみられるが、タイでは豪雨、インドネシアでは干ばつなど、東南アジア全体で天候不順が報告されている。エルニーニョ現象は年末に向けて継続し、しかも勢いが強まる可能性が高いとみられている。

 一方、為替相場は値動きが鈍化した。米金利上昇に伴うドル高圧力が続いているが、円買い介入への警戒感も強く、ドル/円相場は上げ一服となっている。