マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=450円台で売買が交錯する展開になった。10月1~7日まで上海ゴム先物相場が国慶節の連休となったことを受けて、OSEゴム相場は薄商いの持高調整に終始した。ドル/円相場の値動きも限定され、為替要因でも積極的な売買はみられなかった。ただし、東南アジアの天候不順を背景に10月7日高値は458.50円に達し、3週連続で年初来高値を更新した。

 上海ゴム先物相場は9月30日に1トン=2万元の節目を一時突破して国慶節の連休に入ったが、連休明けの10月8日の取り引きでは2万元台前半で改めて年初来高値を更新している。

 国慶節の前後で変わったのは、主産地タイなどの気象環境が一段と不安定化し、供給リスクに対する警戒感が高まったことだ。今季のタイでは、エルニーニョ現象の影響も指摘される中、多雨・豪雨が続いている。特に9月下旬以降は天候不順が一段と深刻化し、洪水被害が発生している。

 タイ当局によると、10月7日時点で148万世帯以上、419万人が被災している。この影響で天然ゴムの供給環境にも混乱が生じ、産地現物相場もカップランプやラテックスなどを中心に、値上がり傾向が目立つ。

 今回の洪水被害では、タイの自動車産業にも大きな混乱が報告されている。工場の被災に加えて、従業員が出社できず、自動車・自動車部品メーカー各社が工場の生産を停止している。

 すなわち、足元の豪雨・洪水は天然ゴム需給に対して「供給ショック」であると同時に「需要ショック」も、もたらしている。過去の洪水被害でも、ゴム相場は値上がりするパターンと値下がりするパターンがあったため値動きは不安定化しやすいが、9月に続いて10月も「供給ショック」の織り込みが優先される地合になっている。

 ただし、OSEゴム先物相場では順サヤ(期近安・期先高)が形成されており、当限主導の急伸地合とはなっていない。産地天候不順を手掛かりに、期先限月を中心に買いが優勢になっている。「供給ショック」と「需要ショック」のどちらが価格形成の主導権を握るのかが注目されている。

 原油相場は上げ一服となっているが、ゴム相場に対する影響は限定されている。湾岸諸国からの原油輸出が回復していること、主要7カ国(G7)が1億バレルの石油備蓄放出を発表したことも、原油相場を下押ししている。ただし、中東情勢の先行き不透明感は強く、大きな値動きには発展しなかった。ドル/円相場は1ドル=158円水準でほぼ横ばいだった。円建てゴム相場に対する影響は限定された。