ブリヂストンは、福岡県と久留米市が連携して推進する「福岡バイオコミュニティ」のプロジェクトの一環として、九州大学と天然ゴム産生植物「グアユール」に関する共同研究を進めている。8月にはグアユールのゲノム編集個体の作出に世界で初めて成功し、ゴム生産性向上に寄与する基盤技術を開発したと発表。10月7~9日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催された「BioJapan 2026」の「福岡バイオコミュニティ推進会議」ブース内で、研究成果や今後の展望について紹介した。

 天然ゴムの主な供給源であるパラゴムノキは、生育地が赤道付近と地理的に限定されているため、特定地域における気象変動や病害の発生が天然ゴムの安定供給に影響を及ぼす可能性がある。同社ではこの課題に対し、パラゴムノキ由来の天然ゴムの生産性向上とともに、天然ゴム供給源の多様化に向けて「グアユール」の実用化も目指している。グアユールは乾燥地帯でも栽培できる一方、実用化に向けては単位面積当たりのゴム生産性向上が課題のひとつとなっており、同社では品種改良などの研究を進めてきた。

 展示会では、パラゴムノキの生産性向上として「根白腐れ病予防」、グアユールの実用化に向けた「ゴム生産性刺激剤」、「ゲノム編集基盤」の3テーマについて紹介した。

 そのうち、ゲノム編集基盤ではゲノム編集した細胞から植物体を再生することが大きな技術的課題となっていたが、培養条件の最適化と5,000サンプル以上の試行を重ねることで、これを克服。ゴム生産性向上に向けた品種改良研究を加速するための基盤技術となるもので、これを活用し、ゴム生産性に関わる有用遺伝子の探索や機能解明を進める。

 同社では、今回の成果はグアユールの実用化そのものではなく、品種改良を加速するための基盤技術を確立した段階としており、今後、こうした研究を通じてゴム生産性の高いグアユールの育種を加速し、天然ゴム供給源の多様化に繋げていくとしている。