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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」⑤

合成ゴム、天然ゴム、ゴムホース、ゴムロールで消費税が異なる?

連載 2017-06-05



加藤事務所代表取締役社長 加藤進一

 合成ゴムの消費税が18%、天然ゴムは4%、ゴムホースは18%、ゴムロールの消費税は28%? えー!すべて8%じゃなかったか?? いえいえ、この通り。7月から実施されます??。どこの国の話か? これは2017年7月1日からインドでスタートする物品サービス税(GST)の話です。加藤が6月初めにインドに出張した時の話です。

 インドでは日本の消費税にあたる税が7月から大きく変わります。いままでインドの州ごとに異なる物品税(間接税、消費税)を決められていました。州によって消費税(物品税)が異なるというのもなんですが、これがやっと全国同じ税率に統一されます。もっとも米国ではいまでも州によって消費税(付加価値税)の税率がことなり、かつ州(郡)によっても適用範囲が違います。例えば衣類はオハイオ州では約9%ですが、となりのペンシルバニア州のある郡では0%で、私もとなりの州まで車を飛ばして服を買いに行くということもやっていました。いままでインドでは隣の隣の州までゴム材料を輸送して販売すると2%の州の物品税が2%×2回かかりました。その先の州まで運ぶとさらにまた2%追加され、州の境を越すごとに2%が加算されてきました。この税金は仕入れで控除できません。これでは遠くの州に売るなといっているものです。その他にいろいろな税金が加算され、約18%の間接税がかかっていました。それがやっと全国統一の消費税になります。やり方は日本の消費税の仕組みと同じですべての物品、サービスの販売には物品サービス税がかかり、請求書に加算されます。会社は決算時に販売時に販売先からもらった消費税と仕入れ先に支払った消費税をそれぞれ合計し、その差額を消費税として納税します。これと同じで、いわゆるインボイス方式で、販売の物品サービス税と仕入れの物品サービス税の差額を納税します。

 インドがほかと異なるのは品物によって税率が違うのです。0、5、12、18、28、28+α%と6種類があり、例えば牛乳は0%、小型自動車は28%です。ぜいたく品は28%です。1500㏄以上の自動車は43%です。7月から実施ですが、この税率が決定したので、この5月中旬。どうやってあと1か月半で実施するの?品物によって税率が変わるので、お店や会社の会計システムが間に合わないと思われますが、そこはインド、実施しながら、調整、修正、するとのこと。まずは走りだして走りながら考えるということです。

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