連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」(42)
タイヤの製造方法
連載 2023-10-04
加藤事務所代表取締役社長 加藤進一
タイヤはどう作られているのでしょうか? いろいろなサイトでタイヤの製造方法が紹介されています。概要は日本グッドイヤー社のサイトhttps://www.goodyear.co.jp/knowledge/production-method.htmlが分かりやすいと思います。
またブリヂストンのサイトでは彦根工場のタイヤ製造方法が工場見学風にhttps://www.bridgestone.co.jp/blog/2020062201.htmlに紹介されています。
この中でタイヤの原料について解説されていますが、この中の硫黄(黄色の粉体)は私が社長を務める鶴見化学工業の加硫用硫黄かもしれませんね。
動画サイトYouTubeにも面白いタイヤ製造工程があります。政府のサイトです。
政府の厚生労働省のサイト、職業情報提供サイト(日本版O-NET、仕事内容や求められる知識・スキル等に係る情報を検索・参照できるWEBサイト)にタイヤ工場、タイヤ製造過程が動画で納められています。ここで詳しくタイヤ成型が分かります。社員の作業服の色からB社の工場のように見えます。https://www.youtube.com/watch?v=tsMw07RxbCQ
タイヤはゴム生地を作ったあと、筒状のドラムに作業員がゴム生地を巻き付けます。
これをタイヤの成形といいます。そのあと、内側にブラダーというゴムの袋を入れて、それから全体を金型に入れて、内側のブラダーに窒素ガスやスチームをいれて、膨らませ、ゴム生地を内側から金型に押し付け、加硫をして、固めてタイヤが出来上がります。このブラダーはブチルゴムで作りますが、最近では耐熱EPDMをべーズにつくるやり方もあります。特殊な配合で作ります。この方がブラダーの寿命が長くなります。リサイクルもしやすくなります。
また更生タイヤ(使用済みのタイヤの、すり減った地面に接地する部分だけを削り、新しいゴム生地を張って加硫するタイヤ)の製造方法はhttps://www.youtube.com/watch?v=j8V6PcuiK8Mにあります。製造方法がよくわかります。当社でもこのタイヤ試験装置(高圧電流でタイヤに穴があるかどうか調べるHawkinson試験機、タイヤを真空室にいれてタイヤ内部の空気泡を調べるINTACTシアログラフィ試験機)を販売しています。
タイヤの作り方は複雑です。実際に製造現場に立ち入った人はそれほどいません。ノウハウの塊なのでしょう。
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