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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」(35)

アメリカのゴム人は新型コロナのマスクをしていなかった

連載 2022-08-18

加藤事務所代表取締役社長 加藤進一

 加藤事務所は2022年6月から海外出張を解禁しています。社長の加藤は6月にはメキシコ、米国、7月にはタイ、インドネシアに出張し、9月にはインド、マレーシアに出張します。

 6月に米国のゴム練り会社、在米日系ゴム会社、米国ゴム糊加工会社、その後ゴム原材料メーカーを訪問してきましたが、驚いたのは、誰もマスクをしていないという事実です。

 相手のゴム関係者に聞くと、オハイオ州、テネシー州では2021年夏より誰もマスクはしていないとのこと。日系のゴム会社でも同様です。

米国の空港で保安検査への列 ほとんどの人がマスクをしていない


 もちろん新型コロナは米国でも今でも流行っています。米国に入国する時には、事前のPCR検査陰性証明とワクチン接種証明を必要です。これがないとアメリカ行きの飛行機に乗れません。(このうちPCR検査の規制は6月12日から不要になりましたが)。しかし勤務先、工場内、街中、レストラン内でもだれもマスクをしていません。ゴム練り会社の営業役員に聞くと、2020-21年はほとんど自宅で勤務していた。販売先への訪問はほとんど控えていた。自社の工場にも半年行けなかったと言っていましたが、2021年後半からだいぶ雰囲気が変わってきたとのことです。感染者数が減ってきて、ワクチン効果が十分あることが分かり、自由を求める国民(国民性)としては、政府がどういっても、自分のことは自分でリスクをとって決めると考えているようです。

 街ではだれもマスクをしておらず、空港、航空機移動中の機内でもほとんどだれもマスクをしていません。会食ももちろんマスクなし。私が白いマスクをしていると、駐在員から、マスクをしていると今病気になっていますという表示になるので、かえって誤解されるのでマスクはしないほうがいいと説明を受けました。

 メキシコではほとんどの人がマスクをしています。タイ、インドネシアでも同様です。

メキシコ メキシコシティーの空港内、みんなマスクをしている


 ヨーロッパのゴム関係者に聞くと、列車内、飛行機機内、駅、図書館等、人が集まる場所では今でもマスクをしていますが、勤務中、会議中、野外、道を歩いている時にはマスクをしない。2021年からそうしていると聞きます。

 国民性というか、自由を求める。責任をもって自分がリスクをとる。というのがアメリカ人らしいところです。ゴム産業でも周りを気にする日本ゴム会社や日本人と、自社のリスクをとる代わりに、自由に、他社がやらないことを率先して行うアメリカのゴム会社と対称的な行動思考になっているような気がします。

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