連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」(23)
コロナ後はどんなゴム産業になるか?
連載 2020-06-29
加藤事務所代表取締役社長 加藤進一
日本のゴム工場、タイヤ工場は、2020年7月現在まだ新型コロナウイルスの悪影響が大きく残っています。特に自動車ゴム部品メーカーにはいまだ製品在庫が貯まり、自動車販売は通常のレベルに向かってすこしずつ戻りつつありますが、これらのゴム部品やタイヤの在庫が減らない限り、ゴム材料の動きはまだまだ鈍いのです。2020年8月まではまだ不調が続き、9月に回復へ戻りだす。本格的な回復は年末と言われていますが、これも第二波次第です。
さて、新型コロナウイルスの後、ポストコロナはどんな世界になるのでしょうか?ゴム産業に当てはめてみると、何が起こるか?産業界ではニューノーマル(新常態)を考え始めています。
よく言われているキーワードでいいますと、ステイホーム、予防・衛生、働き方の変化、備蓄買いだめ、社会貢献意識の高まり、オンライン、イベントの変化、購入チャンネルの変化、三密防止、海外リスク、海外同時です。
これをゴム産業で、やや独断的に、やや誇張して考えてみると、
1)自動車ゴム部品一本足打法は怖い
2)打ち合わせはWEB会議で十分だ
3)海外出張はリスクありだ。台湾、ベトナム、タイ出張以外は怖い
4)中国依存の怖さがわかった
5)手袋需要がうらやましい。病院用、衛生用ゴム製品需要はないか?
6)工場生産ラインは三密状態だった。もっと自動化しないと
7)介護、医療用ゴム部品は伸びそうだが、どんなゴム製品があるか?
8)自動車はプライベートだ。公共交通は怖いので自動車販売は伸びる
9)在宅勤務でゴム会社の業務はどこまでできるか?
10)環境、持続可能、BCPへの意識が高まる。ゴム材料開発面でも変化がありそう
11)抗ウイルス剤を添加したゴム製品、付着したウイルスが死滅する
12)エラストマーで防菌マスク
13)社内で人が密なところをチェック(食堂、ロッカー、朝礼、検査工程、包装工程)、しかし一方コミュニケーションをどうとるか
さまざまなご意見があると思います。その中でゴム産業にも必ず変化があると考えます。
加藤事務所もこの変化に対応していきたいと思います。当社は海外材料、海外ゴム機械の輸入販売、海外日系ゴム会社への販売も多いのですが、ここ数ヵ月の経験を経て、ゴム材料、ゴム機械の会社の工場見学、仕様打ち合わせ、機械の組立工程見学、機械の完成検査と打ち合わせを、完全にWEB会議で、日本に居たまま、顧客の会議室で行う方法を編み出しました。すでにこの数ヵ月数件実施しました。海外出張に行けない。打ち合わせはWEB会議でを地でいっています。当社が代理店ではない商材でも、当社が有償でWEB会議をアレンジして、通訳を行うことも可能です。
ゴム材料、ゴム製品、ゴム機械の商社が業界から求められるやり方、切り口が変わってきたのだと思います。こちらもどんどん変わっていかないといけません。時代についていきます。

WEB会議での画面、ゴム機械完成検査工程、動画もあり。事前のチェックリスト、当日の段取り、見せ方がノウハウ
ゴム機械の完成検査の動画はこちら:https://youtu.be/Hc9iEKl9KUQ

顧客の会議室で、持参したプロジェクターで完成した機械を映し出し、その場で機械を動かしてゴムを練り、動作確認中
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