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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、新型肺炎の急落に是正圧力

連載 2020-02-17


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円台前半まで小幅上昇する展開になった。新型コロナウイルスの感染被害拡大を受けて、2月4日には165.60円まで下値を切り下げていた。中国を筆頭とした世界経済の減速懸念も、ゴム相場を大きく下押しした。ただ、感染被害がピークを脱しつつあるとの見方が優勢になる中、徐々にではあるが安値修正の動きが活発化している。

 上海ゴム先物相場も、1トン=1万1,000元台中盤まで切り返している。2月4日の1万280元で当面のボトムを確認した格好であり、春節(旧正月)の連休後の戻り高値を更新する展開になっている。

 新型コロナウイルスに関しては、依然として死者・感染者の増加傾向が続いており、世界保健機関(WHO)も「まだ広がる可能性がある」と警戒の必要性を訴えている。ただ、中国における新規感染者数は2月4日の3,887人/日をピークにほぼ半減しており、中国政府の対策が一定の効果を上げ始めているとの楽観的な評価が優勢になり始めている。中国政府の専門家トップは、2月中旬から下旬にかけてピークを確認し、4月に向けて終息する可能性があるとの認識を示している。

 米国株は過去最高値更新が続いており、世界的にリスク資産価格に対する上昇圧力が強まる中、ゴム相場も安値修正圧力が目立つ状態にある。

 一方で、反発力が依然として鈍いのは、ゴム需要の下振れ圧力がどの程度まで広がりを見せるのか、見通しが立たないためだ。自動車・部品メーカーの工場稼働が抑制され、更に消費者マインドの悪化で新車販売の大幅な落ち込みも確実視されている。これが一時的な需要環境悪化に留まらず、年間の需要見通しに大きな修正を迫る可能性が警戒される中、ゴム相場は底入れ感を強めるものの、本格的な反発は見送られる展開が続いている。

 タイ中央ゴム市場の現物相場は、2月13日時点でUSSが前週比1.1%高の1キロ=41.02バーツ、RSSが同3.5%高の43.13バーツ。消費地相場が下げ一服感を強める中、産地でも安値修正の動きが優勢になっている。タイなど東南アジアでは引き続き干ばつによる農産物生産への懸念の声が強いが、産地相場の反発に関しては、「供給不安の織り込み」よりも「需要見通しの改善」の影響の方が大きいだろう。

 昨年はこの時期に乾燥懸念から産地主導の急伸地合が形成されたことに注意が必要だが、現時点では新型コロナウイルスのリスク評価が中心テーマになっている。新型コロナウイルスの感染被害、中国経済に対する減速懸念が、終息に向かうかが最大の焦点になる。

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