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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、急反落は一服するも不安定

連載 2024-04-01

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=320円台中盤での取引になっている。産地相場の急騰と連動して3月18日高値は364.00円に達していたが、産地相場の急反落を受けて、26日安値は313.20円に達した。高値から最大で50.80円の急落地合になったが、3月末にかけては上海ゴム相場、産地相場が下げ一服となり、320円水準で売買が交錯する展開になった。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万4,000元台中盤での取引になっている。19日には1万5,805元まで急伸していたが、上げ一服後の調整局面入りしている。しかし、1万4,000元台中盤では値ごろ買いが入り、同水準での保ち合い相場に移行した。

 産地相場が激しく動いており、消費地もそれと連動した高ボラティリティ環境になっている。3月上旬は東南アジアの天候が不安定化したこと、さらに減産期が本格化したことが材料視され、供給不安を織り込む形で急伸地合を形成していた。こうした供給不安は維持されているが、急ピッチな価格高騰がタイ中央ゴム市場でRSS集荷量の急増を促すと、産地相場は急反落した。価格高騰を受けて保管されていた在庫を売却するニーズが発生した模様だ。その意味では、価格高騰で供給不安を解消する動きが発生したといえる。しかし、その結果として産地相場が高値から急反落すると、改めて集荷量が大きく落ち込み、それが産地相場の下げに一服感をもたらしている。産地相場の動きに応じて集荷量も短期間に大きく変動しており、価格と集荷量のバランスがとれる状態を模索する展開になっている。まだマーケット環境が落ち着きを取り戻したとは言い難い。

 タイ中央ゴム市場(ソンクラ)で28日時点のRSS現物相場は前週比2.4%安の1キロ=86.49バーツとなっている。18日の94.44バーツをピークに急落しているが、80バーツ台中盤では下げ一服となっている。

 JPXゴム先物相場では25日に月限が受渡日を迎えた後は期近ゾーンのサヤがフラット化している。3月限の受渡価格は330.00円であり、2月限の304.50円を25.50円上回った。2023年10月限以来の高値を更新している。

 為替市場では、対ドルで34年ぶりの円安となった。27日には1ドル=151.97円を付けている。タカ派とみられている日本銀行の田村審議委員がゆっくり着実に正常化を進めると述べたことなどが、改めて円安を促している。円建てゴム相場に対してはポジティブな動きだが、152円水準では財務省、金融庁、日本銀行などの動きが活発化し、円買い介入が行われるリスクが為替主導の売買を限定した。

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