【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、減産期後の産地主導の下げ
連載 2018-06-11

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、5月22日の1キロ=202.10円をピークとしたダウントレンドを踏襲し、190円の節目を割り込む展開になった。6月5日の186.30円は、5月1日以来の安値更新になる。
東京ゴム相場軟化の背景にあるのは、主に季節要因である。乾季から雨季への以降に伴い産地の集荷量が上振れしており、それに伴い現物相場が軟化していることが、東京や上海ゴム相場を下押ししている。
タイ中央ゴム市場の集荷量をみると、5月上旬から中旬はRSSで日量50トン程度が目立ったが、足元では100トン台に乗せるのも通常の状態になりつつある。これに伴い現物相場は弱含んでおり、5月31日時点のUSSが1キロ=47.94バーツ、RSSが51.26バーツに対して、6月7日時点ではUSSが47.44バーツ、RSSが49.64バーツとなっている。
本格的な値崩れを起こしている訳ではないが、RSSの50バーツ台割れは4月24日以来のことであり、減産期型の相場上昇圧力はピークを脱した可能性が高いことが確認できる。
6月は乾季が長期化して減産期が終わらないハード・ウィンタリングになると供給不安も高まるが、今季はインドネシアのジャワ島など一部地域を除いて乾季から雨季への移行が順調に進展しており、特に天候リスクを相場に織り込むような必要性は高まっていない。
東京ゴム市場では、6月7日終値で当限(6月限)が172.90円に対して期先(11月限)が189.70円となっており、大幅な順サヤ(期近安・期先高)が形成されている。減産期明けの季節要因で産地相場が弱含んでいることに加えて、国内在庫が減産期中にも殆ど取り崩されずに極めて高いレベルを維持する中、短期需給緩和が強く警戒されている。このまま当限の上値が抑えられると、期先限月の上昇余地も限定されることになる。
3回目の協議でも最終合意に至らなかった米中通商協議の行方、アメリカでトランプ政権が自動車に対する最大25%の関税を検討する方針を示すといった政治面での不確実性も目立つが、ゴム相場の反応は限定されている。上海ゴム相場は1トン=1万2,000元割れから1万1,000元台中盤まで値下がりしているが、ここから1万1,000元割れの動きがみられるか否かが焦点になる。
一方、為替が1ドル=110円台を回復する円安傾向にあることが、円建てゴム相場の下落幅を限定している。6月12~13日には米連邦公開市場委員会(FOMC)開催が予定されており、そこで米国の利上げサイクル加速の思惑からドル高・円安が更に進む展開があるか否かも重要性が高い。
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