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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」⑩

イランのタイヤメーカー

連載 2018-04-13

 最大手のBAREZタイヤでは年間の天然ゴムの使用量が3万トンを超しています。タイヤ材料をやっている人がみればわかりますが、この量だけでもイランのタイヤ産業が大きいことがわかるでしょう。イランにはSBR、カーボンブラック、オイルメーカーがあります。産油国ですから、当然石油精製でブタジエンがあり、石化製品のタイヤの材料があります。あとは天然ゴムとブチルゴム、ゴム薬品が輸入です。USドルが決済に使用できないことは当然ですが、それでもゴム材料が輸入され、$以外の通貨で支払われています。もっともドバイのある隠し口座からドルで支払うという話もありましたが。

 ゴム部品メーカーもあります。防振ゴム、ウェザーストリップ、ホースとほとんどの種類の自動車ゴム部品がイラン国内で生産されています。自動車部品メーカーがイラン国内に800社程度あるそうです。

 ガソリンの販売価格が安く、昔からすぐれた文化があり、テヘラン市内は繁華街があり、明るく、市内には首都高速道路がたくさんあり、本当に経済制裁中とは思えません。なんとヨーロッパ人、中国人、韓国人に交じって経済制裁中のアメリカ人までイランに商談で来ている話もあります。いないのは日本人ビジネスマンだけということです。

 といった話をベトナムで、イスラム教のイラン人と酒を飲みながら話をしてきました。

 加藤はイランを訪問したので、米国入国のビザ免除のESTAプログラムが使えません。そのため米国の入国のビジネスビザB1をもっています。米国に行くたびに入国審査の長い列に並び、入国審査官からどうして日本人なのにビザをもっているのか?イランに行ったことがあるからと答えると、どういう仕事でイランに行ったのかと毎回聞かれます。これは想定外でした。

 写真はテヘラン市内の様子、元ブリヂストンのタイヤ会社生産のタイヤです。

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