連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」⑩
イランのタイヤメーカー
連載 2018-04-13
加藤事務所代表取締役社長 加藤進一
加藤は2018年4月にイラン人とベトナムで会っていました。このイラン人はイランのゴム業界では有名な方で、日本からのタイヤ材料をイランに販売しているJTC社(大阪)のイラン支店長です。最近のイランのゴム、タイヤ産業はどんどん大きくなっています。イランでは現在自動車が年間120万台ぐらい製造されています。もちろん新型モデルです。イラン政府は2025年には年間300万台の乗用車を生産し、イラク、CIS諸国に輸出し、石油に次ぐ大型輸出品目にしようとしています。イランの人口は8,000万人です。フランスプジョーシトロエンと韓国KIAが乗用車を現地生産しており、また日本車では日産、マツダが輸入車としてよく売れています。米国の経済制裁中ですが、現地にいってみると、経済制裁中とはまったく思えない様子です。
タイヤ会社も10社あります。元ブリヂストンの工場もあります。イラン革命で、突然国営化されたあと現在は民営のタイヤ会社になっています。またゴム部品メーカーもたくさんあり、実際日本のJSR、日本ゼオン等の合成ゴムがイランで使用されています。加藤も3年前にテヘランに出張して、タイヤ会社数社に行ってきました。加藤事務所とJTC社、ベトナム最大手天然ゴム会社VRGとの合弁会社 VRGJAPAN(ベトナム本社)の社長として、ベトナムの天然ゴムをイランのタイヤ会社に販売すべく行きました。
元ブリヂストンの工場であったイランのタイヤ会社での話です。会社の受付にその会社が生産しているタイヤが展示されていますが、ブランド名をみると、BRIDGESTONE, FIRESTONEではなく、BIRDSTONE, FIRESTORM となっていました。ちょっとしゃれがきつすぎます。また技術の方との打ち合わせでタイヤの配合表をみせてもらいましたが、材料の社内コードがWで始まったコード名です。ブリヂストンと取引しているゴム材料メーカーの人であればピンとくるはずですが、これはブリヂストン時代と同じ配合材料コードを使用していると思われ、さすがに笑ってしまいました。
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