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連載コラム「白耳義通信」⑲

「春到来」

連載 2018-04-13

鍵盤楽器奏者 末次 克史

 サマータイムに突入しました。日本との時差は7時間です。

 テレビでは動物園で産まれた像の赤ちゃんのニュースが取り上げられたり、湖や池には親鴨と泳ぐ雛の姿が見られるなど、新しい命が誕生する季節になりました。日本では桜の開花が春の到来を告げてくれますが、こちらにも山桜や八重桜を見かけるものの、余りそれらの花で春がきたという気はしません。年によって日付は変わるもののやはり「復活祭」の声を聞くといよいよ春がきた気になります。復活祭の頃良く見る花が水仙。公園や中庭などに咲き誇っているのを見ると、肌寒くても何だか暖かい気持ちになってくるから不思議です。

 復活祭といえば「イースターエッグ」。この時期、どのチョコレート店のショーウインドウにも、卵型をしたチョコレートがディスプレイしてあります。それを見るだけでも童心に返ります。復活祭の日には、家の庭や街の公園で子供たちが隠された卵のチョコレートを探すのが楽しみの一つになっています。少し強引ですが、日本の風習に例えるとお彼岸のおはぎのようなものでしょうか。

 春になると悩まされるのが花粉症。日本でもスギ花粉、ヒノキ花粉に悩まされる方が多いのではないでしょうか。こちらの天気予報では降水確率予報は出ませんが、花粉情報は発表されます。これからはシラカバ花粉が飛び交う時期。実は自分もこの花粉には悩まされていて、薬を飲まないと喘息の症状がでるほどです。ですから吸入ステロイド薬の常備は欠かせません。

 ただマスクをしていると、怪しい人に疑われるのでマスクができないのが辛いところ。マスクをしたらいけない訳ではないのですが、ジロジロ見られるので躊躇してしまいます。以前親しい友達の前でしたところ「そのマスクは自分を守る為なのか、人に迷惑をかけない為なのか」真顔で聞かれたこともあるくらい、こちらでは一般的ではありません。

 日本で春といえば別れの季節、そして新しい出会いの季節ですが、こちらでは新学期が9月に始まりますから何かが始まるということを余り感じません。それでも気温も上がってくると着るものが変わり、多くの人が外に繰り出すようになると、街全体が活気に満ちてくるのを感じます。

 白アスパラガスもそろそろ出回ってきました。美味しいものを食べられることに感謝しながら春を味わいたいと思います。

【プロフィール】
 末次 克史(すえつぐ かつふみ)

 山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。

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