マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=450円台まで値上がりし、2011年4月以来の高値を更新した。9月19~23日はシルバーウィークの大型連休になったが、その間に上海ゴム相場の上昇と円安が進行したことを受けて、連休明けの取り引きで急伸した。

 

上海ゴム先物相場は1トン=1万8,000元台後半で下げ一服となり、1万9,000元台中盤まで切り返す展開になった。上海ゴム相場は2万元の節目に届かず調整局面入りしていたが、押し目での物色意欲の強さが再確認されている。原油高は一服し、株価は軟調に推移するなど、外部環境は必ずしも良好な状態とは言えない。しかし、10月の国慶節の連休を前に中国が資源全体の在庫手当てに動いているとの報告もあり、非鉄金属相場などとの連動で底堅く推移した。高値では需要家の買い控え傾向も目立つが、改めて2万元の節目を試すのか、同水準で上値の重さを再確認するのかが焦点になる。
 

 エルニーニョ現象の勢いは強くなっており、東南アジアでも天候不順が警戒される。タイでは、引き続き豪雨が報告されている。これから年末に向けて産地の気象環境は一段と悪化する可能性が高いが、産地主導の高騰相場とはなっていない。9月の産地相場はやや強含んでいるが、ほぼ横ばいの展開にとどまっている。これから供給不安の織り込みが本格化するか否かが注目されるが、現状では需要サイドと同様に供給サイドの動向もあまり材料視されていない。
 

 原油相場は高騰が一服し、急反落した。サウジアラビアの東西パイプラインなど石油関連施設が攻撃を受け、紅海から欧州向けの出荷停止・延期が報告される中、WTI原油先物相場は1バレル=106.75ドルまで値上がりしていた。しかし、サウジアラビアがホルムズ海峡経由の原油輸出を強化し、さらに9月22日に停止していた東西パイプラインの稼働再開が報じられると、一時90ドル台を割り込む展開になった。ただし、原油高・原油安に対するゴム相場の反応は限定されている。
 

 為替相場が大きく円安・ドル高に振れたことは、円建てゴム相場にポジティブだ。日米金融政策会合を終えたが、ドル高と円安が促されている。ともに0.25%の利上げが決定されたが、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに積極的な一方、日本銀行では利上げに反対する票もみられたことで、追加利上げに慎重と評価されている。
 

 9月8日の1ドル=152.88円をボトムに、連休明け後は158円台中盤まで大きく円安・ドル高に振れた。このため、為替要因のみでも円建てゴム相場には上昇圧力が掛りやすい環境になった。
 (マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努)