東部工業用ゴム製品卸商業組合(前田淳理事長=東京ベルト社長)はこのほど、11回目となる「ゴム工業用品流通動態調査」を発表した。

 同調査は、2026年4月30日に工業用品部会員企業42社と同部会選定の組合員企業19社の計61社にアンケートを送付、2025年4月~2026年3月の1年間を対象に調査した結果を集計したもの。回答率は72%(44社)だった。

 アンケートでは売上高や市場価格、在庫状況、卸売と直売の売上高比率、販売上の問題のほか、最近のトピックとして、「中東情勢(国際紛争)の影響」など幅広く聞いている。設問の中から売上高や需要の将来性等に関する調査内容を紹介する。

売上高予想は、全品目で「95~105%未満」が最多回答


 ■前年度の売上高
 前年度の売上高を見ると、全般的に景況が回復傾向にあることが分かる。トランプ関税の影響や長期化する中国の景気低迷、原材料やエネルギーをはじめとした諸物価の上昇など取り巻く環境は依然として厳しいが、国内外とも市況は底堅く、大手企業を中心とした堅調な企業業績を背景に、緩やかながら回復基調で推移している。

 最多回答は「95~105%未満」で、全7品目とも最多だった。全般的な傾向として減収2回答(「90~95%未満」「90%未満」)が減少し、増収2回答(「105~110%未満」「110%以上」)が増加している。

 増収2回答が多いのが成形品(46%)と切削/打抜品(45%)。一方、減収2回答はライニング・引布(37%)が多かった。増収2回答が前回調査より多かったのは上記2品目に加え、ゴムシート/マット、押出品の計4品目。減収2回答が前回調査に比べ増加したのはライニング・引布とその他の2品目。

 前年並みである「95~105%未満」は前回調査よりも減少する品目が多かったが、ロール品については、前回の25%から今回は61%へと36ポイント(P)も増加した。

 ■今年度(2026年4月~2027年3月)の売上高予想
 売上高予想については、前回調査同様、全品目で「95~105%未満」回答が最多を占めた。7品目平均は60%で前回平均71%より11P減と2ケタ減少となった。

 増収2回答については、前回調査を上回った品種は7品目中、切削/打抜品(25%)、成形品(24%)、ゴムシート/マット(22%)、ライニング・引布(19%)の4品目。中東情勢の先行きなど懸念材料があるものの、見通しは明るい。

 一方、減収2回答が、前回調査に比べ増加したのは、ロールを除く6品目で、中でもライニング・引布は38%と最多だった。前年並みの予想が減少する一方、増収と減収回答が増えている。

 ■3年後の売上高予想
 最多回答は、全品目でこれまでの調査同様「90~110%」。しかし7品目とも前回調査よりも減少している。一方、増えるとする「110%以上」回答が、前回調査を上回ったのは5品目、減るとする「90%未満」回答が、前回調査を上回ったのは全品目だった。中でも前回0回答だったロール品は12%、押出品は18%、ライニング・引布は前回9%に対し20P増加した。

 「110%以上」の回答が、「90%未満」の回答を上回ったのは成形品のみ。一方、「90%未満」の回答が、「110%以上」の回答を上回ったのは押出品、ロール品、ライニング・引布の3品目。特にライニング・引布は「90%未満」との回答が19Pも上回っており、先行きを心配している企業が多いようだ。