横浜ゴムは8月24日、同社が協力会社として参画する国際共同研究「ゴムノキ葉枯れ病防除のための複合的技術開発」の有効性が確認されたと発表した。横浜市立大学で同月1日に開催された市民講座「世界を巡るゴムノキの歴史と国際連携による葉枯れ病対策」で、研究代表者の松井南氏(横浜市立大学 特任教授/理化学研究所 客員主管研究員)が講演し公表した。

市民講座で松井南氏講演の模様

 この研究は、ゴムノキの病害を抑制し、天然ゴムの持続可能な生産・利用を目指すもの。外務省と文部科学省の支援のもと、科学技術振興機構(JST)、国際協力機構(JICA)が共同で実施している「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択されている。

 理化学研究所をはじめとした日本の研究機関と、世界第2位の天然ゴム生産国であるインドネシアの研究機関を中心とした産官学で実施される国際共同研究だ。現在、インドネシアの葉枯れ病の感染拡大が、ゴム生産に深刻な被害を与えている。研究では殺菌剤による葉枯れ病菌の駆除などで、インドネシアの天然ゴム生産の90%以上を担う小規模農園での生産安定化を目指している。

 2020年に研究を立ち上げ、殺菌剤のスクリーニング・選定、ゴム研究所のテスト農地、企業農園でのフィールド評価などを経て、2025年9月からターゲットとする小規模農園でフィールド評価を開始した。

 横浜ゴムは、各フェーズで天然ゴムへの殺菌剤混入の有無、殺菌剤が天然ゴムの特性や加硫物性に与える影響を調査するなど、品質保証に貢献。そして殺菌剤を適切に散布・使用すれば、品質に影響を及ぼさないことを確認してきた。

 こうして、予定した全てのフィールド評価で有効性が実証された。研究は今後、インドネシアにおける殺菌剤の登録など、実用化に向けたフェーズに本格移行する計画だ。

 横浜ゴムは「持続可能な天然ゴムの調達方針」の中で、小規模農家を含むサプライチェーン関係者への支援を掲げている。研究参画によって、天然ゴムの生産および農家収入の安定化に貢献していく考えだ。

 同社は、SATREPSの研究課題では、天然ゴム種子の有効利用により環境問題解決を目指す「未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究」にも連携機関として参画している。

 同社は、サステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げ、事業活動を通じて社会課題に取り組みにより、共有価値の創造を図っている。