連載「つたえること・つたわるもの」(64)
声に出して読みたい『萬葉集』、琉歌で詠まれた『歌声の響き』。
連載 2019-04-23
出版ジャーナリスト 原山建郎
4月1日に新元号「令和」が発表された以降、『万葉集』関連書籍の売れ行きが良好であるという。
口語訳付きロングセラー『声に出して読みたい日本語』(齋藤孝著、草思社、2001年)に載っている万葉集秀歌(短歌)のうち、「石ばしる…(巻八・1418)」と「うらうらに…(巻十九・4292)」を見てみよう。
石(いは)ばしる垂水(たるみ)の上のさ蕨(わらび)の萌え出づる春になりにけるかも
石激 垂見之上乃 左和良妣乃 毛要出春尓 成来鴨(※←万葉仮名) (志貴皇子)
口語要約 滝の上の蕨が萌え出る春になった。
うらうらに照れる春日(はるひ)に雲雀(ひばり)あがり情(こころ)悲(かな)しも、独(ひと)りし思へば
宇良宇良尓 照流春日尓 比婆理安我里 情悲毛 比登里志於母倍婆(※←万葉仮名) (大伴家持)
口語要約 のんびりした春の日、一人で物を思うと何か悲しい。
(同書50~51ページ)
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