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連載コラム「白耳義通信」⑫

「海外へのお土産」

連載 2017-09-13

鍵盤楽器奏者 末次 克史
 朝晩は薄手のコートが必要な程、すっかり肌寒くなってきたベルギーです。

 日本へ帰る時毎回悩むのがお土産。ベルギーと言えばチョコレートとビール。ビールは重たいし、最近は航空業界も液体物に何かと煩いのでお土産には適さない。ということでチョコレートになる訳だが、大抵のベルギーの有名メーカーは日本に入っているので選択が難しい。以前買って帰ったものを避けていると、もう買って帰るチョコレートも尽きたという感じだ。

 さて、皆さんは海外へのお土産はどうなさっているだろうか。海外の日本支社への出張ならそれ程問題は無いかも知れないが、相手が日本人以外となると「はて、どうしたものか…」とお悩みになるかも知れない。

 差し上げる相手がアルコール好きだと知っていれば日本酒という手もあるけれど、先程も書いたように昨今はどちらかというと避けたい部類だろう。ただどうしてもアルコールということであればお薦めしたいのが「梅酒」。食前酒にも良いし、「梅を塩付けすると酸っぱい梅干しになる」と話しの種にもなる。最近は日本のウイスキーも人気があるようだが、これはウイスキー通の方であれば喜ばれるだろう。

 何れにせよ「破損の可能性があるし重たいから別のもので…」ということであれば、是非お薦めしたいのが「消しゴム」。この連載を始めてようやく「ゴム」に関することをお伝えできて嬉しい。日本製の消しゴムは力を入れず簡単に、しかも綺麗に消せるのが凄い。ある時ベルギー人の友達から「消しゴムを貸して」と言われ貸したところ大絶賛されて以来、相手の好みが分からず迷った時は「消しゴム」をお土産に選んでいる。日本製の消しゴムは「頬ずりしたくなる」という人もいるくらいだ。消しゴム一年分というのは如何だろうか。「これではちょっと…」ということであれば、アルミ製の鉛筆キャップを添えて頂ければ完璧!

 日本でお遣い物をする時はそれ相応のものを差し上げるのかも知れないが、こちらでは余り親しくもないのに高価なものをプレゼントすると却って怪しまれる。親しくてもちょっとした贈り物であれば10ユーロ位(現在のレートで1,300円位)の世界だ。金額ではなく気持ちを贈りたい。

【プロフィール】
 末次 克史(すえつぐ かつふみ)

 山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。

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