連載コラム「白耳義通信」⑭
「ベルギーのテレビ事情」
連載 2017-11-16
鍵盤楽器奏者 末次 克史
先日初雪を観測し、冬がすぐそばまでやってきているベルギーです。
この記事を書いている今、テレビでは丁度「ハリル日本対ベルギー」のサッカー国際親善試合をやっている。試合が気になるけれど、今回はベルギーのテレビについてお話したいと思う。
複雑な国を表すようにベルギーのオランダ語の放送局 VRT とフランス語の放送局 RTBF は同じ建物の中に入っている。この二つは旧国営放送時代一つであった。この他に日本の民放に当たるテレビ局がそれぞれ VTM と RTL TVI である。
現在ベルギーのテレビもデジタル化されており、基本的にはケーブルテレビを介してテレビを視聴するのが一般的だ。契約すると前述したベルギーのテレビ局以外にも隣国フランス、オランダ、ドイツ、イギリスの主要チャンネルを始め、スポーツ専門チャンネル、音楽専門チャンネル等、約80局が視聴可能だ。
さて、ベルギーのテレビに話を戻そう。ここではオランダ語の放送局を例にとってみたい。
日本では早朝から情報番組をやったり、連続テレビドラマを放送しているが、ベルギーでテレビが始まるのは昼1時から。ニュースと共に一日が始まる。それも約30分で終わり、その後はドラマや映画などの再放送が続く。18時になって簡単なニュース、料理番組、クイズが。19時に夜のニュースが始まり、その後は、情報番組、ドラマ、クイズなど。最終的に25時過ぎに終了という一日の流れである。
日本のようなワイドショーもなければ、お笑い番組もない。あったとしてもコメディアンによる劇場からの中継である。一日の内容を見てもドラマ、クイズが中心というのがお分かりになるように、それ程お金を掛けられた番組があるわけでもない。
イギリスやフランス、ドイツなどの大国を見ると、予算を掛けて作られた番組があるが、この辺りは国力の違いがそのままテレビ局にも反映されているように思う。
ヨーロッパでは毎年5月に Eurovision というソングコンテストがあるが、優勝国は次の年フェスティバルを開催することになっている。以前ベルギーが優勝した際、財政困難に陥り危うくテレビ局が潰れそうになったこともあるほどだ。
そんな質素なベルギーのテレビ局ではあるが、五月蝿くもなければ、占いが垂れ流されることもなく、大人のテレビ局という印象である。と、ここでサッカーの試合が終了。ベルギーが 0-1 で勝利を収める。前回2013年11月に行われた親善試合の雪辱を果たしたことになる。
【プロフィール】
末次 克史(すえつぐ かつふみ)
山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。
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