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連載コラム「白耳義通信」➇

「春の風物詩」

2017-05-10

鍵盤楽器奏者 末次 克史
 今年の3月はベルギーの観測史上1番目の暖かさだったということも関係しているのだろうか。花の開花が例年より早いような気がする。

 さて、ベルギーの「春の風物詩」といえば、ホワイトアスパラガスを挙げない訳にはいかない。スーパーで「緑」のアスパラガスを売っているとはいえ、ベルギーでアスパラガスといえば「白」だ。緑と白の違いは、光を浴びたか浴びなかったかの違い。5月初旬で結構な太さのものが出回っているので、今年は旬が早くやってきたようにも思う。

 このホワイトアスパラの生産地として名高いのが、現在自分の住んでいる街メッヘレン Mechelen(蘭)/ Malines(仏)。この辺りは土が肥えておらず砂質性なので水はけが良い。このような土壌に適しているのがアスパラガスやチコリなのである(チコリについてはまたの機会に)。

 アスパラガスはポキポキ折れやすいので、手で丁寧に収穫しなければならない。生産家の方の親指の爪はすり減っているほどだ。おまけに鮮度が落ちるのも早いこともあり、高級野菜の代名詞でもある。

 調理方法は至って簡単。皮を厚めにむき、数本まとめて紐で縛って茹でるだけ。アスパラ専用の縦型鍋も売っている。ベルギーではフランダース・ソース Asperges op Vlaamse wijze(蘭)/ Asperges à la flamand(仏)という、刻んだゆで卵に刻んだパセリと溶かしバターを混ぜたものが好まれる。個人的にはマヨネーズに醤油が一番好きだけれど(笑)

 栄養価はグリーンアスパラの方が高いが、ベルギーやフランスでホワイトアスパラが好まれるのは、何でもソースと共に食す文化だからだろう。日本料理は素材を大切にした調理方法が好まれるから、より味の濃いグリーンアスパラの方が人気あると見ている。ホワイトアスパラガスということなら是非、来年のゴールデンウィークにお越し下さい。食べた翌日のトイレも必見ですよ。

【プロフィール】
 末次 克史(すえつぐ かつふみ)

 山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。

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