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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、騰勢強まる、産地も急伸

連載 2020-12-07

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=260円台中盤まで急伸する展開になった。250円の節目を上抜き、10月30日以来の高値を更新している。11月5日の206.80円をボトムとした反発局面が続いていることが確認されている。

 上海ゴム先物相場も、1トン=1万5,000元台中盤から後半まで値上がりしている。1万5,000元の節目水準では抵抗もみられたが、同水準を完全に上抜いており、11月2日以来の高値を更新している。

 需要環境に対する信頼感が高まる一方、産地供給不安が維持される中、改めて短期需給のひっ迫懸念がゴム相場を押し上げている。

 中国の11月製造業PMIは、前月の51.4から52.1まで上昇した。これは2017年9月以来となる約3年ぶりの高水準になる。世界では新型コロナウイルスの感染被害が続いているが、中国経済は危機から脱し、完全とも言える経済復興を果たしつつあることが再確認できる状況にある。コロナ禍で先送りされていた需要に加えて、景気対策のためのインフラ投資が経済活動を活性化させている。貿易相手国の景気動向がリスクになるが、非鉄金属相場などと同様にゴム相場も買われやすい地合になっている。

 加えて、欧米では新型コロナのワクチンが承認手続きに入っており、米国では年内に実用化が予想されている。経済活動の正常化期待を先取りする動きも強くなっている。

 一方、産地相場も改めて騰勢を強めている。11月は不安定な値動きが繰り返されていたが、12月入りしてから上昇ペースが加速している。タイ中央ゴム市場の現物相場は、12月3日時点でUSSが前週比7.9%高の68.92バーツ、RSSが同10.1%高の72.88バーツとなっている。USSの集荷量はやや改善傾向にあるが、RSSの集荷量が改めて低迷傾向を強めている。

 海水温度が10月と比較すると低下しているため、大型台風が相次いで襲来するような状況ではなくなっている。しかし、インドネシアやマレーシア、ベトナム、タイ南部などでは引き続き雨がちの天候が報告されている。ラニーニャ現象は解消されておらず、降雨過多の状態が続いている。また、年明け後はウインタリング(落葉期)の減産圧力が強まることに対する警戒感も強い。

 インドネシアやマレーシアでは新型コロナの感染被害も高止まりしており、労働制約の強さも、引き続き供給量を抑制している。マレーシアではゴム手袋工場で大規模なクラスターが発生している。

 10月に付けた年初来高値292.90円まではまだ30円幅が残されているが、再び騰勢が強くなっている。

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