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連載「つたえること・つたわるもの」(88)

エッセンシャル・ワーカーに拍手+感謝のバトンパス〈先贈り〉。

連載 2020-04-28

出版ジャーナリスト 原山建郎

 国内の新型コロナウイルス感染拡大(感染者数1万3613人、死亡者数407人:4月27日現在)は、岩手県を除くすべての都府県で猛威を振るっている。先月29日、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなったタレントの志村けんさん(70歳)に続き、4月23日には女優の岡江久美子さん(63歳)も亡くなった。お二人とも、家族との最後の対面・会話は叶わず、骨壺だけが遺族に届くという、悲しいお別れだった。

 政府はGW明けの5月6日までの緊急事態宣言をさらに延期するかどうか、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の分析を踏まえて決定すると言っているが、どう考えても5月中の解除はむずかしい。

 4月6日、ノーベル医学生理学賞受賞者の本庶佑京大特別教授が発表した「緊急提言」は、陽性率・感染率・死亡率・クラスター発生数にこだわる「疫学」の専門家集団(専門家会議)の統計学手法よりも、また不良品マスクの代名詞ともなった感のある「アベNOマスク」の1世帯2個配布よりもずっとわかりやすく、新型コロナウイルス感染の恐怖におびえる私たちの心に届く。参考までに、その内容を紹介しておこう。

緊急提言(2020年4月6日)
1.感染者を検出するPCR検査を、毎日1万人以上に急速に増やす(これまで合計45000人・4月5日)。無症状、軽症、重症の振り分け(東京都実施)

2.東京圏、大阪圏、名古屋圏の1カ月の完全外出自粛により、満員電車での通勤をやめる。その結果、医療崩壊を防止。全国への蔓延を待つべきでない。経済保障はそのあとで考えるべき。

3.治療法として外国で有効性が示されているものを実地導入する。野戦病院での戦いであることを自覚。
  a)急性期 抗ウイルス剤(アビガン等)
  b)重症肺炎時の炎症反応の暴走時にはトリズマブ(※関節リウマチの治療薬)等。

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