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2020年3月期業績

日本ゼオン、合成ゴムは特殊ゴムの出荷減少

原材料 2020-04-29

 日本ゼオンが4月28日に発表した2020年3月期業績は、売上高が3,219億6,600万円で前期比4.6%減、営業利益が261億400万円で同21.2%減、経常利益が287億4,400万円で同20.9%減、純利益が202億100万円で同9.4%増だった。純利益は、減損損失等の特別損失が減少したことで増益だった。新型コロナウイルスによる業績への影響については、「定量的に出すことは難しい」(松浦一慶取締役執行役員)としながらも、同期での直接的な影響は軽微だった。

 エラストマー素材事業部門は売上高が1,788億4,700万円で同9.7%減、営業利益が96億4,200万円で同45.5%減。営業利益は、原料価格に連動した販売価格下落や市況軟化による価格差が89億円の減益要因となり、原料価格下落に伴う原価差46億円の増益要因では全てをカバーできなかった。

 エラストマー素材事業部門のうち合成ゴムは、販売数量が59万8,000トンで同3%減、売上高が1,238億円で同11%減だった。合成ゴムの出荷量は2018年度を100とした場合、汎用ゴムは100で横ばい、特殊ゴムは94で6ポイントマイナスだった。自動車産業、一般工業品用途等の需要が弱かった。

 2021年3月期業績予想および配当予想については、新型コロナウイルスの影響で合理的な業績予想の算出が困難として、未定とした。

 足元の合成ゴムの稼働率は8割程度。国内は今後在庫を絞っていく考えで、稼働率は4~5月で75~80%、第1四半期(4~6月)では80%を計画する。海外も足元はシンガポールが80%、米国が80%強の状況だ。合成ゴムの需要については厳しくみている。「特殊ゴムの需要は、4~6月で3~4割減の覚悟が必要だ。7~9月は若干回復し10%減で済めばとみている。4~6月が底であって欲しい」(平川宏之取締役常務執行役員)。

 エラストマー素材事業部門では、BCPの観点から副原料等の材料ソースを増やしていく。すでに複数購買に向けた評価を進めており、それにより安定した生産、供給を確保していく。また、コストダウンや設備修繕、先を見据えた新製品開発にも注力していく。

 新型コロナウイルス対策は先手先手で
 同日会見した田中公章社長は、新型コロナウイルスへの対応策として①従業員やその家族等の健康・安全の確保②安定的な資金繰り③サプライチェーンの維持に、1月以降迅速に対応していると語った。

 感染防止に向けては在宅勤務・時差出勤、海外出張禁止、国内出張・移動制限、本社による海外拠点支援などを実施。中でも本社の在宅勤務比率は95%に達しているという。

 足元の資金繰りにも懸念はない。2020年3月末の流動比率は191%、手元流動性比率は1.2カ月を確保している。流動性リスク顕在化の可能性に対しても、既存のCP発行枠500億円に加え、コミットメントライン(予定額500億円)を設定する計画。これらはサプライチェーン維持の観点からも有効だとしている。

 国内外の製造拠点については、感染防止策を徹底した上でほぼ平常通り操業している。拠点の情報も適時本社に集約するとともに、拠点間の情報共有も推進している。

 また、緊急対策本部も立ち上げた。事業環境などの情報を集約し、世界経済の急速な悪化による売上高激減等のリスクに備え、在庫削減、コスト削減など緊急対策を実施している。これら対策は「先手先手で着手していく」(田中社長)方針だ。

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