連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」㉑
ゴム機械の修理にメーカーの人を呼ぶのは古い?
連載 2020-03-10
加藤事務所代表取締役社長 加藤進一
ゴムの機械が壊れてた時、調子が悪い時、どこの部品が悪いのかわからない時、どうしますか?ゴム機械メーカーに電話して、誰か来てもらう。機械の横で、携帯電話で機械メーカーに電話して「今どうなっていますか?」「そのメーターの数字はいくつですか?」「そのランプは点いていますか?」「どんな音がしていますか?」こんなやり取りをする。今まではそうでした。しかしそれはもう古いやり方かもしれません。
欧州の大手ゴム機械では、IT,IOTを駆使してゴム機械のメンテナンス、修理箇所の特定をする方法が広がっています。機械の制御盤にインターネットの端子をつなぎます。IPアドレスを特定します。メーカーの技術部から、インターネット経由、その機械の電気盤にアクセスして、すべてのセンサー、動作をチェックします。あたかもメーカーの技術者が出張してきてその機械を点検しているようなものです。
台湾のゴム機械メーカーでもすでにこのやりかたを導入しています。加藤事務所も8年前に日本に納入した射出成型機で、台湾からインターネット経由で機械の調子を点検することがありました。タッチパネルの画面を見ていると、台湾から操作で、機械がどんどん操作され、その結果を台湾側でチェックされていました。
ドイツの大手ゴム練り機械メーカーもこのやりかたを取り入れています。イタリアのカレンダーメーカーでも同じです。このようなソフトウェアがあるのです。
スマートフォンのアプリをインストールして、ゴム機械を動かしながら、それを動画で撮影して、同時にイタリアにアプリで動画や写真を送ります。するとイタリアの機械メーカーから次にどうしたらいいかの指示がスマホに表示されます。チャットをしながら、機械のメンテナンスをするようなものです。画面に、次にどのスイッチを押したらいいか、送った動画、写真にそのスイッチに〇印がついた画面が送られてきますので、間違えずに次の操作ができます。また頭にウェブカメラを付けて、機械を操作しますと、目の視界にある画面に次の指示がでる。声で指示してくれる。まるで、横に機械メーカーの人が立って指示してくれるようなものです。
台湾のゴム機械メーカーでも同じようなソフトを使い、世界中に輸出したゴム機械のメンテナンス、故障個所の特定ができるようになっています。インドの大手ゴム機械メーカーでも。
欧州、台湾のゴム機械は世界中に輸出されています。だから修理や点検のためにわざわざ海外出張していく手間費用が大変です。だからこのような技術を使っているのです。
ゴム機械の修理にメーカーの人に来てくれと頼むのはもう古い?日本のゴム機械メーカーはこの流れについて行けるのでしょうか??世界の流れの中で取り残される?努力してきたか?
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