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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、新型肺炎の売りに一服感

連載 2020-02-10


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=165.60円まで下落して昨年10月23日以来の安値を更新した後、170円台後半まで切り返す展開になった。

 新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感が相場を更に下押ししたが、その後は投資家のリスク回避姿勢が収束に向かい始めたことで、ゴム相場も安値から切り返す荒れた展開になっている。

 上海ゴム先物相場は、2月3日に春節(旧正月)の連休明けを迎えたが、1月23日の1トン=1万2,030元に対して、2月4日には一時1万280元まで急落する展開になった。ただ、その後は中国金融市場が徐々に冷静さを回復したことで、上海ゴム相場も安値からの切り返しを進め、1万1,000元台前半まで下げ幅を縮小している。

 春節の連休中に新型コロナウイルスの死者、感染者は急増し、実体経済活動にも大きな影響が生じている。米国は中国本土への渡航禁止勧告を出しているが、ヒトとモノの移動が制限されている。特に感染者が多い武漢は、自動車ならびに同部品工場が集中しており、工場の操業停止の動きから自動車生産に大きなダメージが生じる可能性が浮上している。部品のサプライチェーンの混乱で、武漢以外でも自動車生産にトラブルが生じており、新車向けタイヤ需要に影響が生じるのではないかとの警戒感は強い。

 更に中国の消費者マインドが悪化していること、自動車での外出が手控えられていることで、新車販売や買い替え用タイヤ需要への影響も警戒されている。

 実際にどの程度の影響が生じるのかは不透明だが、新型コロナウイルスの影響で2020年の中国成長率は0.2~0.3%程度下方修正されるとの見方が現時点での市場コンセンサスになっている。

 ただ、中国人民銀行(中央銀行)が18兆円余りの流動性供給に踏み切り、更に中国政府が大規模な景気刺激策に踏み切るのではないかとの観測も広がる中、投資家のリスク回避の動きにブレーキが掛かっている。春節明け後の中国市場発のパニック状態を想定していた向きにとっては失望的な状態であり、売りポジションの整理が進んでいることが、株式、コモディティなどのリスク資産全体に安値修正を迫っており、その流れの中でゴム相場も急落地合から一転して、安値修正に動いている。

 一方、タイ中央ゴム市場の現物相場は、2月6日時点でUSSが前週比2.4%安の1キロ=40.50バーツ、RSSが同1.1%安の41.53バーツ。上海ゴムと連動して値位置を切り下げたが、消費地相場と連動して下げ幅は縮小している。

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