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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、資源高の流れでゴムも堅調

連載 2019-02-25


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=190円台後半、TSRが160円台中盤まで急伸した。特に目新しい材料はなかったが、米中通商協議の進展期待が投資家のリスク選好性を強める中、株価連動で工業用素材市況に対しても押し上げ圧力が強まり、その流れの中でゴム相場も地合を引き締めている。

 米中通商協議は11-15日に続いて19-22日にも開催されている。米中両国が交渉の進展を報告しており、トランプ米大統領は3月1日の交渉期限延長にも理解を示している。依然として意見の大きな隔たりも残されており、最終合意に向けての道のりは平坦とは言い難い。ただ、少なくとも両国が歩み寄りを見せていることは間違いなく、世界経済の大きなリスクが軽減されるとの期待感が、リスク資産価格全体を押し上げている。

 銅相場は7カ月ぶり、原油相場は3カ月ぶりの高値を更新しており、ゴム相場も昨年5月以来となる9カ月ぶりの高値を更新している。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万1,000元台中盤をコアとした保ち合いが続いていたが、2月19日の取引で1万2,000元台に乗せている。上海株式市場が米中通商協議の進展期待を織り込み、その動きを眺めて上海ゴム相場が上昇し、つれて東京ゴム相場も急伸する展開になっている。

 東京ゴム相場の当限は当初、こうした上海発の上昇エルギーに対して強い抵抗を見せていた。期先高に対して期近安と限月間で地合に大きな違いがみられた。しかし、期先限月の上昇が加速する中、当限でも売り方が損切りを迫られ、踏み上げ気味の急伸地合が形成されている。当限は、2月15日の179.20円をボトムに、200円の節目目前に迫る急騰地合を形成している。

 こうした中、産地相場も上昇傾向を強めている。タイ中央ゴム市場の現物相場は、2月21日時点でUSSが前週比2.8%高の1キロ=44.83バーツ、RSSが同3.0%高の46.36バーツとなっている。産地相場も当初は東京や上海ゴム相場の上昇を軽視していたが、消費地相場の上昇のペースが加速する中、さすがにつれ高している。

 天然ゴム需給よりも、マクロ投資環境に強く依存する相場環境になっている。このまま株価、資源価格の上昇が続けば、ゴム相場の上昇地合も維持される可能性が高い。

 一方で、1月下旬から2月上旬にかけて相場を下押ししてきた、季節性の逆風に変化はない。東京ゴム相場の期先限月の受渡は生産期に差し掛かっており、この時期のゴム相場は例年下落する傾向が強い。マクロ投資環境と、季節性のどちらが重視されるのかが問われる。

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