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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、地合悪く、安値更新が続く

連載 2018-11-19


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=150円台後半、TSRが140円台前半まで軟化する展開。上海ゴム相場の上値が重い展開が続く中、東京ゴム相場も年初来安値を更新する展開が続いている。大きな値崩れを起こしている訳ではないが、RSSは4週連続で年初来安値が更新されており、じり安のトレンドが維持されている。2016年9月以来の安値が更新されている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万1,000元台前半で上値の重い展開が続いている。1万1,000元の節目割れを前に足踏み状態にあるものの、コアレンジは緩やかなペースで切り下がっている。

 11月30日-12月1日の20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて米中首脳会談が予定されており、米中貿易戦争の解消ないしは緩和期待も浮上している。米中当局者の間では多次元にわたる交渉が行われており、何らかの妥決が成立する可能性がある。しかし、マーケットでは中国実体経済の減速に対して根強い警戒感があり、ゴムや非鉄金属といった産業用素材市況は上値の重い展開が続いている。

 10月の新車販売台数をみても、前年同月比11.7%減の238万100台に留まっており、4カ月連続で前年比マイナス。特に9月以降の落ち込み幅が大きく、中国自動車市場は28年ぶりにマイナス成長となる可能性が高まっている。

 当然に米中貿易戦争に終止符を打つことができれば、中国経済と関連性の深いゴム相場に対してはポジティブである。しかし現在のゴム市場では、通商合意が本当に可能なのか、可能として中国経済の減速に歯止めを掛けることが可能なのかとの評価から、上海ゴム主導で安値修正を進めるような動きは見送られている。

 上海ゴム相場は1万1,000元でサポートされているが、同水準を割り込むと2016年と同様に1万元の節目まで下値が一気に切り下がる可能性がある。その際には、東京ゴムも150円の節目を打診する展開になる。上海ゴム相場の下げ止まりを確認できるか否かが焦点になっている。

 一方、産地相場も値下がり傾向が続いている。タイ中央ゴム市場の現物相場は、11月15日時点でUSSが前週比2.6%安の1キロ=37.70バーツ、RSSがほぼ横ばいの40.33バーツとなっている。

 USSに続いてRSSも一時40バーツ台を割り込んだが、農家の売り渋り、生産国政府の市況対策といった動きは確認できず、産地主導の安値修正は見送られている。上海ゴム相場主導のダウントレンドが維持されている。

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