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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、株価急落・円高が上値圧迫

連載 2018-10-15


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=170円水準で揉み合う展開になった。一方、9日に新規上場したTSRは150円台前半での取引になっている。

 産地相場が安値ボックス状態になる中、全般的に動意を欠く展開になった。国慶節の連休明けの上海ゴム相場も明確な方向性を打ち出せていない。

 週前半は原油高に伴うインフレ懸念が下値をサポートし、総じて強含みの展開になった。しかし、11日に日経平均株価が一時1,000円を超える急落となり、約3週間ぶりの円高水準を記録するとゴム相場も急落地合に転じ、結果的には前週比では若干上値の重い展開になった。

 上海ゴム先物相場は、米中対立の深刻化のショックを緩和するために中国政府が景気刺激策を導入していることを好感し、一時は1トン1万2,875元まで上昇し、直近高値を更新した。しかし、11日に上海株価が年初来安値を更新すると、上海ゴム相場も急落し、1万2,000元台前半で上値の重い展開になっている。

 米長期金利の急伸、米中対立の深刻化、国際通貨基金(IMF)の世界経済成長見通し引き下げなどをきっかけに、マーケット全体が大きくリスクオフ状態に傾いている。足元の実体経済環境は米国を筆頭に堅調に推移しているが、米国株は約3カ月にわたってほぼ一本調子の上昇トレンドが続いていただけに、7~9月期決算発表が近づく中で持ち高調整が活発化している。マーケット全体に強いストレスが発生する中、更に株安・円高が進行すると、当然にゴム相場に対しても下振れ圧力が強まり易くなる。投資家のリスク選好性が早期に回復するか否かが焦点になる。

 一方、産地相場には特に目立った値動きはみられない。11日時点のタイ中央ゴム市場の現物相場は、USSが前週比0.4%安の1㎏=40.26バーツ、RSSが同0.6%高の42.71バーツとなっている。集荷量は総じて安定し、生産国政府が市況対策に消極的なスタンスを維持する中、上値の重い展開が続いている。ただ、大きく値崩れを起こすまでの勢いは見られなかったことで、産地主導の積極的な売買は見送られている。東南アジアで大型地震が頻発していることには注意が必要だが、需給面で特に目を引く材料はなく、産地相場は安値低迷状態で動意を欠いている。

 なお、新規上場したTSRは期先限月を中心に一定の出来高が確保されており、シンガポール市場と同様に順サヤが形成されている。期先は11日終値でRSSに対して16.20円の下鞘になっている。売買実績の積み重ねで、生産者や実需、海外投資家などの市場参加を呼び込めるかが問われている。

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