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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、当限は急落・期先は横ばい

連載 2018-09-24


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=160円台後半をコアに揉み合う展開になった。産地主導の値下り圧力が強く、当限は完全な値崩れ状態を起こしている。ただ、期先限月は相対的に下げ渋っており、決定打を欠いた。9月18日には年初来安値を更新しているが、明確なトレンド形成には至っていない。

 上海ゴム相場は1トン=1万2,000元の節目割れを打診したものの、安値は18日に付けた1万2,000元ちょうどであり、1万1,000元台突入は見送られた。逆に20日の取引では突然に急反発し、一時1万2,720元を付けるなど方向性が定まっていない。産地主導の値下り圧力が上値を圧迫する一方、突然に意味なく買いが膨らむ投機色の強い展開が繰り返されている。

 東京ゴム市場では当限の値下り傾向に歯止めが掛からない状態になっている。11日の取引で150円台を割り込んだばかりだが、20日の取引では143円台まで下値を切り下げている。当先の順サヤは13日時点の18.60円に対して20日時点では24.40円であり、当限の値崩れに対して、期先が対応しきれていないことが確認できる。

 需給面に特段の新規材料が見当たらないが、産地相場の上値は重い。生産地の降水量は安定しており、生産期に特有の良好な供給環境が確保されている。フィリピン沖の大型台風発生といった天候不順もあったが、ゴム生産に大規模なダメージを与えるような天候障害は確認できていない。

 本来であればゴム価格防衛のための生産国の市場介入が警戒されるような価格水準だが、予算制約から市況対策には消極姿勢が目立ち、ゴム相場の低迷状態に政策的に介入することは見送られている。政策主導で安値修正を進めるのであれば、更にゴム相場の値下りを促すことで、生産地で農家の暴動が発生するといったカタリスト(触媒)が求められることになりそうだ。

 17日には米政府が2,000億ドル相当の中国製品に対する課税措置を発表し、中国が報復措置を講じると発表したが、ゴム相場に対する影響は限定されている。仮に中国株の急落などがみられると上海ゴム相場もつれ安する可能性があった。しかし、米中両国が依然として通商協議開催に意欲を示していることもあり、投資家のリスク選好性は課税措置発表後に逆に強まっている。株高・円安圧力が発生したことは、東京ゴム相場に対してむしろポジティブに機能している。

 東京ゴム市場では、産地主導の値下り圧力が続いている。この流れを阻止するような供給環境・見通しの変化がみられるか否かが焦点になる。

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