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連載コラム「白耳義通信」①

ごあいさつ

連載 2016-10-12

メッヘレン(著者撮影)

メッヘレン(著者撮影)


鍵盤楽器奏者 末次克史

 「白」「耳」「義」と書いて「ベルギー」。中学校の社会科の時間で習ったベネルクス三国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)の一つ、ベルギー王国から毎月記事をお届けすることになりました。

 ベルギー Belgium (英) België (蘭) Belgique (仏) に住んで20年。どこに住んでもそうだけど、何処に住むか、誰と付き合うかによってその国の印象は大きく変わってくる。特にベルギーは公用語が三カ国語あり、オランダ語、フランス語、ドイツ語が話されている多言語国家(それぞれの内訳は蘭語 60%、仏語 39%、独語 1%)なので、普段何語を話し、どの地域の人と接することが多いかによって見る景色も変わってくるだろう。

 更に複雑なのは首都ブリュッセルである。ブリュッセルはベルギーを南北に分断する言語境界線上ではオランダ語圏に位置する(北=蘭語、南=仏語)。建前上オランダ語、フランス語併用地域ではあるけれど、80% の人はフランス語を母国語とする人が住んでおり、何かとフランス語優位な印象が強い。

 自分の場合ベルギーへ来て先ずブリュッセル Brussels (英) Brussel (蘭) Bruxelles (仏) に住み、ベルギー南部のモンス Mons(仏)(画家ヴァン・ゴッホが宣教師時代に住んでいた街)にある音楽院へ通っていた。次に住んだのは日本の石川県小松市と姉妹都市関係にあるヴィルヴォールド Vilvoorde (蘭) 。首都ブリュッセルから北へ12km に位置するオランダ語圏である。現在はベルギーのカトリックの総本山がある古都メッヘレン Mechelen (蘭) に住んでいる。ブリュッセルから北へ 30km に位置し、更に北上するとアントワープ Antwerp (英) Antwerpen (蘭) Anvers (仏) にたどり着く。北に北に移り住んでいるので、このまま行くとオランダ、ノルウェーを通り越して北極に行くかも知れない。

 冗談は兎も角、「白耳義通信」は何を書いてもよいと言って頂いているので、自分が見たベルギーのこと、そして鍵盤楽器奏者として考える音楽の事を中心にお伝えしたい。どうぞ今度ともお付き合いのほど宜しくお願いいたします。

【プロフィール】
 末次 克史(すえつぐ かつふみ)

 山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。

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