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【インタビュー】ボンベイ・ケミカル&ラバー・プロダクツ ヴィシャール・ジュンジュンワラ氏

インドの原料を日系工場へ積極売り込み

商社 2016-10-12


 インド・ムンバイに本社を持つ「ボンベイ・ケミカル&ラバー・プロダクツ」は長年、原料資材商社として日本の合成ゴムなどをインドの日系ゴム部品メーカーに納めてきた。同社の3代目であり、役員のヴィシャール・ジュンジュンワラ氏は「インドの自動車産業は活況で、近年はゴム部品やゴム原料各種の現地調達化が急速に進んできた。インドの合成ゴムや薬品、副資材の品質は十分評価されるもので、これからはインド国内にある高品質な原材料も日系ゴム関連企業の海外工場で使用してもらえるよう紹介したい。10月24日から北九州・小倉で開催される国際ゴム技術会議(IRC 2016 Kitakyushu)の展示会に出展し、その有効性や当社の役割などを積極的にアピールしていきたい」と語る。

 ■インド国内の天然ゴム、合成ゴムの消費状況について
 現在インドでは天然ゴム、合成ゴムどちらともその消費は急速に増加しています。特に合成ゴムの方が天然ゴムに比べて消費の増加速度が増してきています。

 これまで、伝統的にインドでは天然ゴムを使用することが主でしたが、消費トレンドの基調の変化から天然ゴム(年平均成長率5-7%増)と比較して、合成ゴム(同15-20%増)の使用が急速に増えています。

 これは、自動車の増産に起因しているもので、低燃費タイヤの製造、燃料ホースなど自動車用ゴム部品向けが増え、また一般工業用ゴム製品もインフラに関わるゴム製品での需要が伸びてきています。

 ■インドのタイヤ、自動車用ゴム部品、工業用ゴム製品の生産状況
 インドのタイヤ生産で特徴的な動きは、TBRセグメントにおいて、ラジアルタイヤ化の方向へ速く進んでいることです。TBRマーケットにおけるラジアルタイヤは30%を占めていますが、2-3年後には50%を超えると予想されています。PCRは、すでに99%がラジアルタイヤマーケットとなっています。

 自動車ゴム部品生産も、インドが小型車の製造拠点になるに伴い急速に増えています。VWインドは、インドから南米に輸出しています。そしてフォード・インドは、アフリカと東南アジアに、日産とヒュンダイはヨーロッパ向け、ホンダはインド周辺諸国、スズキは各国へ輸出しているのに加えてインドの工場から日本向けにも生産し始めています。

 インドはかねてからゴム部品産業の規模が大きいため、インドの部品メーカーのシェアは非常に高いものがあります。日本から新規参入する企業は、インド国内のゴム部品メーカーとの厳しい競争に直面するでしょう。

 需要という点では、先ほど述べたようにインフラ整備も急速に進んでいるため、鉄道、建設、鉱物や原料運搬、電線、橋梁用ベアリングパッド向けのゴム部品の生産も急速に伸びています。全体的にみて、インドのゴム産業は今後大いに発展する可能性を秘めています。

 ■ボンベイ・ケミカルの日系ゴム企業への活動
 インドの関税は非常に高く、輸送費も高額です。当社では、インドの原材料にスイッチすることを提案しています。

 日系企業の幾つかは、原材料のコストを抑えること、または削減する方法について、当社に意見を求めてきました。意見交換をする中で、日系企業が使用している原材料の100%が輸入であることがインドの部品メーカーに比べ、高価格になっている要因だと気付きました。

 インドには、可塑剤、カーボンブラック、シリカ、各種ゴム薬品、ワックス、硫黄などを製造しているメーカーがあり、その多くの企業は世界クラスの企業です。

 当社は、インドの顧客からインドの原料メーカー数社について情報を得て、日系企業が求める品質やビジネスについてよく説明し、日系企業のビジネススタイルに最も合うメーカーなどを特定し、インド国内の日系ゴム部品メーカーを紹介しています。

 ポイントは品質には妥協せず、原料価格を抑えられるかという点でした。当社は2010年からインドの原料メーカーを日系企業に紹介しはじめ、今では当社における1番の成長ビジネスとなってきました。顧客の中には、インドの原料をインド国内の工場で2-4年使用した結果、品質と供給の安定性を実感している企業もあります。

 日系企業の中には、品質と供給の安定性に加え、インドの方がそれまでのサプライヤーよりも低価格のため、タイやインドネシア等の自社工場に製品を輸出し始めている企業もあります。

■IRC北九州に出展する主旨と狙い
 今回、IRC北九州の展示会に出展するのは、インド進出を検討している日本企業に、高品質で価格競争力のあるインドの原材料を紹介するためです。IRCの期間中に、まずは日本に向けてインドには素晴らしい原料メーカーが多数あることを紹介したいと考えています。我々は、日本企業に現地に来て見ていただきたいと心より思っています。

 インド国内の原料を利用することは、為替の変動リスクを回避することにもなります。海外のサプライヤーからの配送遅延もなく、品質関連の問題にも素早く対応できます。急な増産にもインドの原料メーカーであれば顧客がスムーズに生産を継続できるよう、素早い対応も可能です。

 また、日本から原料輸入する場合のロジスティックサービスの提供もします。当社は、日本から定期的に原料を大量に輸入しており、北、西、南インドに倉庫を保有するなどデリバリー・ネットワークも構築しています。

◇ボンベイ・ケミカル&ラバー・プロダクツ
 自転車タイヤなどを製造する会社として1945年に設立。その後1971年に合成ゴムやゴム薬品、各種副資材などゴム用資材全般を扱う貿易会社として発展してきた。資材商社としてインド全土のゴム産業に精通しており、日本のゴム業界とも深い関係を築いてきた。

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