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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」①

タイヤは黒いがカーボンブラックはほとんど入っていない?

2016-10-07

「ベトナムのTSR20(SVR20)の製造ライン。この褐色がTSR20の色で、RSS3より濃い色です」

「ベトナムのTSR20(SVR20)の製造ライン。この褐色がTSR20の色で、RSS3より濃い色です」


加藤事務所代表取締役社長 加藤進一

 タイヤの色が黒いのは中にカーボンブラックが入っているからです。カーボンブラックはタイヤの補強材です。昔からそう言われていました。だからタイヤは黒いのです。しかし最近はそうも言っていられなくなったようです。

 確かにタイヤには今でもカーボンブラックが多量に使用されています。タイヤはその部分によっていろいろなゴムコンパウンドが使われています。一番量が多いのがトレッドゴムです。地面に接地する、タイヤの溝がある部分です。タイヤ会社によって異なりますが、だいたい全体のゴムの20~40%を占めます。しかし最近は低燃費タイヤ、エコタイヤ、燃費がよくなるタイヤが多くなり、おおざっぱに言えば、現在日本で生産されている乗用車用タイヤは、ほとんどすべてが低燃費タイヤです。この低燃費タイヤのトレッドゴムには、カーボンブラックはあまり入っていません。大袈裟にいえば、カーボンブラックがほとんどはいっていません。その代わりシリカ(ホワイトカーボン)が補強材として入っています。しかしタイヤは白くありません。それは少しだけカーボンブラックが入っているからです。

 現在、タイヤ会社では多量のシリカを購入しています。輸入品も多いようです。合成ゴムのS-SBRとシリカとシランカップリング剤の組み合わせが、低燃費タイヤの材料です。タイヤメーカーの配合技術者がどんな組み合わせがよいか秘伝の配合を研究し、また材料メーカーと共同開発しています。

 タイヤに使われている天然ゴムは、昔はRSS3という天然ゴムでしたが、これもこの20年間、世界ではRSS3からTSR20(SIR20)というグレードに変わってきました。この方が安いからです。タイヤメーカーによっては、RSS3をいまでも使っている会社もあります。工業用ゴム製品を生産している会社では、天然ゴムといえば今でもRSS3を使っていると思いますが、それは日本だけです。日本以外の世界はRSS3を使っているゴム会社は少数派です。私も25年前アメリカに駐在していたときに、米国ゴム学会でRSS3の話をしても米国人のゴム技術者がだれもわかってくれなかったことを思い出します。RSS3は飴色ですが、TSR20はほとんど褐色です。ゴム色ではありません。臭いも結構きつい、臭いです。

 タイヤの黒といえば、カーボンブラック、天然ゴムといえばRSS3というのがゴム業界の常識でしたが、今では非常識? このコラムでは「知らなかったゴム業界の非常識」を取り上げていきたいと思います。宜しくお願いいたします。

 それから10月25-28日に福岡県北九州市小倉で国際ゴム会議IRC2016北九州が開催され、いっしょにゴム・エラストマー技術展が開かれます。このゴム展示会は日本では11年ぶりです。当社も出展します。ゴム機械を展示し、またフランスMLPC社のゴム添加剤の紹介もします。技術セミナーも行います。

 国内の全合成ゴムメーカー、全タイヤメーカー、主なカーボンブラック、ゴム薬品メーカー、ゴム機械メーカーその他100社以上が出展し、海外のゴム材料メーカー、試験機メーカーも30社近く出展し、まさに10年に一度の総合ゴム材料、ゴム技術展示会となります。また当社の加藤が、日本ゴム協会ゴム・エラストマー技術展の委員をしており、皆様一人でも多くの方々のご参加をお待ちしております。このゴム・エラストマー技術展は入場無料です。是非来てください。ためになる情報がそこにあります。

 技術展のサイトはhttp://www.irc2016.com/japanese/exhibition.htmlです。

 展示出展社リスト等はhttp://www.irc2016.com/japanese/files/exhibition_guide.pdfにあります。

 是非是非ご来場をお待ちしております。これを逃すと次に10年先ですよ。

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