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TPE技術研究会公開講演会が開催

原材料 2016-10-06

講演会の様子

講演会の様子


 ナノ構造ポリマー研究協会(西敏夫代表理事)は10月4日13時から、東京・目黒区の東京工業大学大岡山キャンパスで「第11回TPE技術研究会公開講演会」を開催した。

 当日は、「ポリオレフィンの機能化と用途展開」三井化学・植草貴行氏、「有機-無機ネットワーク構築によるヒドロゲルゴムの創製と機能」日本大学・原口和敏氏、「高分子材料の受託研究・試験サービスの最新機器・サービスのご紹介-TPEの自主的取り組みと関連サービスについて-」DJK・岩井俊憲氏――の3講演が行われた。

 冒頭、西代表理事は、講演会前日にノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大学の大隅良典氏について、「複数の研究者とともにではなく、単独で受賞できるのはすごいこと。また、私にとってもゆかりのある東京工業大学で教鞭をとっているということで大変うれしい」と語り、「今回の講演会では、最新の情報を学び日本のTPE業界の発展につなげてほしい」とあいさつした。

 講演会では、三井化学の植草氏が、メタロセン触媒を用いて開発したエラストマー製品「ノティオSN」および「アブソートマー」を紹介。ノティオSNは、非架橋でもゴム弾性を示し、柔軟・耐熱・耐摩耗・耐傷つき性などに優れるナノ結晶構造制御型エラストマー。人工皮革の代替や自動車内装材、文具などへの展開を目指すという。

 アブソートマーは、制振性、応力緩和性に優れたαオレフィン共重合体。室温付近で最も良好な振動吸収性を示し、EPDMなどに混ぜることで反発弾性を下げることができる。制振材、グリップ、クッション材などへの展開を目指すという。

 日本大学の原口氏は、高分子とクレイのネットワーク構造からなるナノコンポジット(NC)ゲルを紹介。優れた力学特性、透明性、刺激応答性、自己修復性などを有し、適度な温度と圧力によって成形も可能な画期的な素材となっている。

 講演会後は、懇親会も開催され、活発な質疑応答が行われた。

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