【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、上海ゴム乱高下で不安定化
連載 2018-05-28

マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1㎏=202.10円まで急伸して1月29日以来の高値を更新した後、190円台中盤まで急反落する荒れた相場展開になった。
週前半は円安と上海ゴム相場の急伸を手掛かりに買いが膨らみ、200円の節目を突破している。ただ、その後は円高と上海ゴム相場安が上値を抑え、200円台を維持することに失敗しており、前週比では小幅高に留まった。
上海ゴム相場は約2カ月にわたって1トン=1万1,000元台でのボックス相場が続いていたが、5月21日には1万2,355元と、3月20日以来となる約2カ月ぶりの高値を更新している。5月17~18日に2回目となる米中通商協議が実施されたが、米中双方が貿易戦争回避で基本合意したことが、ゴム市場でも好感された可能性が指摘されている。ただ、その後はトランプ米大統領が交渉状況に不満を示すなど先行き不透明感が高まったこともあり、上海ゴム相場は再び1万1,000元台後半まで軟化している。
もっとも、中国素材市況で米中通商協議に反応を見せているのはゴム相場のみであり、鉄鉱石や石炭相場などは一本調子のダウントレンドを形成している。このため、特にファンダメンタルズ要因に基づかない投機的な急伸・急落に過ぎないとの見方もある。
一方、生産地では適度な降水量が確保されており、農産物生産全体が恩恵を受け易い状況になっている。インドネシアの一部でやや降水量が不足しているが、その他の地域は土壌水分環境も良好であり、今後数週間にわたって雨がちな天候が予想されている。
タイ中央ゴム市場の集荷量はRSSが若干上向き始めた程度だが、今後は季節トレンドに沿った形で減産圧力が解消され、通常の生産環境に回帰することが想定される。減産期が長期化するリスクを想定する必要性は乏しい。ただ、産地現物相場は引き続き今季の最高水準を維持しており、減産期明けを見据えて産地主導で値下りするような動きは見られなかった。昨年は5月下旬に期近限月主導で急落地合が形成されたが、今年の産地相場は堅調地合を維持している。
為替市場では米長期金利の急伸と連動した円安傾向に一服感が浮上しており、上海ゴム相場が改めて一段高を打診するのか、このまま1万1,000元台のボックス相場に回帰するのかが注目されている。
米中通商協議の進展を確認しつつ、非鉄金属相場などと連動して上値を試すのか、それとも減産期明けの季節要因や消費国の高水準の在庫を手掛かりにコアレンジを引き下げるのかが焦点になる。
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